DeNA伊勢大夢、球団新記録の通算148ホールド達成「気持ちいい瞬間」語る
DeNA伊勢大夢が球団新記録148ホールド「気持ちいい瞬間」語る

横浜DeNAベイスターズの伊勢大夢投手が8月29日、本拠・横浜スタジアムでの中日戦で、球団新記録となる通算148ホールドを挙げた。1点リードの七回に3番手として登板し、2死から四球で走者を許したものの、150キロの直球で福永裕基を空振り三振に仕留めた。エドウィン・エスコバーの持つ球団記録、147ホールドを上回り、単独最多となった。

開幕前から目標にしていた記録達成

「開幕前から目標にしていて、もうちょい早く達成できる予定だったんですが……」と苦笑した。熊本・九州学院高を経て、明大から2019年秋のドラフト3位で入団。右横手から投じる150キロ超の直球を武器に、新人年から毎年30登板以上を重ねてきた。22年には71登板を記録するなど、その頑健さと安定感を支えに、長く勝ちパターンの一角を担ってきた。

「けがせずにやれていること、一定のパフォーマンスをキープできていることで、記録達成できた」。日本一に輝いた24年の日本シリーズでも4試合に登板して無失点、被安打1と活躍。大舞台で真価を発揮した。

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中継ぎの勲章と責任感

リードや試合展開を「保つ」という意味があるホールドは救援投手だけに与えられる勲章だ。勝利投手にもセーブにもならない。それでも、試合後半の重圧を担ったものだけが積み上げられる。勝ち試合でたすきをつなぐことは、仲間の白星の権利を守ることでもある。「一つの勝利で人生が変わるピッチャーもいる。先発の9勝と10勝も全然違う。責任感はとても大きい」

ひとたび成績を落とせば、次々に現れる若手に出番を奪われかねないポジションだ。「もっとパフォーマンス上げないと、良い投球をした新しい選手に抜かれる。僕も抜いてきたから、よくわかっている」。その言葉には、危機感がにじむ。

「気持ちいい瞬間」と今後の目標

激しい競争の中でも、中継ぎという役割への思いは揺らいでいない。一時は先発にも挑戦したが、ブルペンを支える存在としてキャリアを築いてきた。伊勢が語るそのやりがいは、独特だ。「僕が投げてて気持ちいい瞬間は、前のピッチャーがためたランナーを1人もかえさずにマウンドを降りるとき」

無死満塁。1死二、三塁。そんな胃の痛くなる場面でバトンタッチされたときこそ、「一番ワクワクする」のだという。「他人のランナーなら、僕は悪くないですから。でも抑えれば、めちゃくちゃ目立つじゃないですか」。もちろん冗談交じりの言葉だが、伊勢の矜持(きょうじ)でもある。先発や抑えと比べ、試合後に中継ぎがスポットライトを浴びる機会は少ない。だからこそ、誰かが残したピンチをしのぐ瞬間に特別なやりがいを感じている。

ホールドの通算最多記録は、日本ハムの現役左腕、宮西尚生の424ホールド。山口鉄也(273ホールド、巨人)、浅尾拓也(200ホールド、中日)と続く。球団新記録を達成した今、伊勢の視線は次の数字に向かっている。ホールドではなく、登板数だという。「500登板。まずはそこまでしっかりと駆け抜ける。そこから先も、積み重ねられるように」

9月8日時点で通算337登板。幾度となく仲間を救ってきた右腕は、また静かに登板を重ねていく。

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