ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日夜のビデオ演説で、軍トップのオレクサンドル・シルスキー総司令官を解任すると発表した。シルスキー氏の交代を求める抗議デモが連日行われており、ゼレンスキー氏は人事刷新で事態の収拾を図る考えとみられる。
後任にドラパティ統合軍司令官
軍トップの交代は、ロシアの2022年2月の侵略開始後2回目。後任にはミハイロ・ドラパティ統合軍司令官を充てる。ゼレンスキー氏は演説で、ドラパティ氏に軍改革案の策定を指示したが、解任理由は説明しなかった。
前国防相との対立が背景か
シルスキー氏は軍改革方針を巡り、15日に退任したミハイロ・フェドロフ前国防相との対立が指摘されていた。情報技術(IT)の専門家で前デジタル化担当相のフェドロフ氏は兵器調達などの効率化を目指し、軍上層部と衝突したとされる。フェドロフ氏は16日の記者会見で、同氏とシルスキー氏が互いの解任を働きかけていたと明らかにした。
抗議デモの背景
ゼレンスキー氏が16日の内閣改造でフェドロフ氏を国防相に再任しなかったことを受け、首都キーウなど各地で抗議デモが始まった。フェドロフ氏は2月、米宇宙企業スペースXの衛星通信網「スターリンク」でロシア軍の利用を遮断するよう働きかけ、戦況がウクライナ側に好転する一因となった。



