欧州でかつてマイナーだった右翼や極右の政党が、政権についたり、政権入りをうかがったりするケースが各国で相次いでいます。なぜ、欧州でこれだけ右翼勢力が広がりを持ったのか。同じような傾向は日本にもあるのか。ポピュリズムに詳しい水島治郎・千葉大教授に聞きました。
ドイツ東部で極右AfDが第一党に
ドイツでは今月、東部の州議選で極右政党・ドイツのための選択肢(AfD)が第一党になりました。来春に大統領選を控えるフランスでは、国民連合(右翼)のマリーヌ・ルペン氏が世論調査で首位に立っています。
ドイツは中道の左派と右派による2大勢力の優位が続いてきましたが、今回、(AfDが第一党になった6日の東部ザクセンアンハルト州議会選で)みえたのは、ついにこの2大勢力が沈んだ、ということでした。
左派ポピュリストも初めて議席を得ており、右傾化が進んだというよりは、左右の急進派が中道を挟み撃ちにした状況です。下が上をひっくり返したともいえます。
21世紀の対立軸「上と下」
中道左派なら福祉、中道右派なら市場経済を重視する。これが20世紀の欧州の基本的な左右の対立軸でした。21世紀にはそこに、上下の対立軸が加わります。
上というのはグローバル化や国際協調を重視する既存の中道右派、中道左派ですが、これに対し下というのは、庶民や労働者の味方と主張し、自国第一主義に立って既成政治を批判する左右の急進派です。
ポピュリスト政党は、『既存政党のエリートがグローバル化を推し進めて国民を裏切った』、と下から突き上げます。
既成政党の限界
中道左派、中道右派の既成政党は、21世紀になって変化した政治の対立軸に対応できていないのです。
旧来の政党が下からの批判に対応できないのはなぜか。たとえば、2025年に総選…
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