米国の安全保障戦略が迷走している。イランとは戦闘終結に向けた覚書に合意したものの、戦闘が続いている。ウクライナ戦争では、ロシアに理解を示す一方でウクライナを支援するなど、戦略が一貫していない。
英セントアンドリュース大学のフィリップス・オブライエン教授(戦略学)は、「第2次大戦後、世界が慣れ親しんだ昔の米国は、もはや消え去った」と語る。
イラン覚書の脆弱性
オブライエン教授は、米国とイランが合意した覚書について「元々脆弱だった」と指摘。「米国はほとんど利益を得られず、逆にイランにホルムズ海峡の管理をめぐる協議の余地を与えていた」と述べる。
最大の問題は、60日以内に最終合意に至るとしていた点だ。両国はイランの核政策や資産の凍結解除など重要問題で合意に至れず、覚書の効力がどれだけ続くかも不明だという。
トランプ氏の個人的決断
米国がイランを攻撃し現在の事態に至った理由について、教授は「トランプ大統領が戦争は早期に簡単に終わり、勝利を祝うべきだと思ったからだ」と分析。米国の国益ではなく、トランプ氏個人の利益になると信じて下した決定であり、結果として米国を恐ろしい状況に追い込んだと述べた。



