米中首脳会談で台湾問題とAI対話を協議 危うい妥協を避けた背景
米中首脳会談で台湾問題とAI対話を協議

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が会談した。習氏は「『台湾独立』に反対するという正しい立場を堅持し、台湾問題を慎重に処理する」ようトランプ氏に求めた。中国が「核心的利益」と位置付ける台湾に、追加の武器売却を承認しないよう牽制(けんせい)した形だ。

米国は従来、「台湾独立」を支持しないとの立場だ。習氏は「独立反対」を求めたが、トランプ氏が応じたとの話は出ていない。トランプ氏は踏み込んだ発言をせず、危うい妥協を避けたもようだ。

追加関税と輸出規制の「休戦」延長で一致

超大国同士の摩擦は、世界経済に大きな影響を及ぼす。両国は首脳会談に先立ち、追加関税や輸出規制の実施を1年停止する「休戦」を来年1月まで2カ月延長することで一致した。

中間選挙を11月に抱えるトランプ氏、続投を狙う共産党大会を2027年秋に控える習氏ともに、大きな対立を避けたかったことが、融和ムード演出の背景にある。

AI分野の対話姿勢と具体策の不在

両首脳は人工知能(AI)問題でも、対話を進めていく姿勢を示している。ただ、世界1、2位のAI大国である両国から、具体策が聞こえてこない。国家安全保障上の問題が起きた際、米中双方が通知し合う制度新設などが求められる。

中国メディアによれば、習氏は米国とイランとの戦闘を巡り、「対話と協議で問題を解決する軌道に早く戻ることを希望する」と述べた。イランと深い外交関係を持つ中国こそ、建設的仲介に尽力すべきである。

第二次大戦を巡る発言と高市首相との会談

習氏は会談後の夕食会で、第二次大戦に触れ、「中米両国の人民は共に戦い、日本軍国主義の侵略者に抵抗した」と強調した。トランプ氏も会談前、中国は大戦中の米国の同盟国であり、米国と「共に戦った偉業」を振り返ろう、と述べた。

だが米国が同盟関係にあったのは、共産党と対立した蔣介石の中華民国(重慶政権)だ。中華人民共和国建国は大戦後の1949年で、習氏の発言には強い違和感を覚える。トランプ氏も共産党独裁政権におもねる発言をするのは望ましくない。

トランプ氏は22日の高市早苗首相との会談で、同盟の抑止力強化を確認した。トランプ氏が安全保障環境を損なわないよう高市首相は緊密な関係を維持することが肝要である。