トランプ氏最側近ハープ氏に注目、情報管理で「人間プリンター」の異名
トランプ氏最側近ハープ氏、情報管理で「人間プリンター」

【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ大統領の最側近とされるナタリー・ハープ氏(35)が注目を集めている。トランプ氏が接する情報を管理し、情勢認識に大きな影響を与えているとみられるためだ。都合の悪い情報を遮断しているとの批判も出ている。

「人間プリンター」の異名と特別な信頼

普段は公に姿を見せないハープ氏が注目されたきっかけは、トランプ氏の7月のトルコ訪問だった。帰国時、秘密裏に乗り換えた空軍機にハープ氏を同乗させたと後に判明した。イランによる暗殺情報を踏まえた安全対策だったが、ルビオ国務長官らは危険とみなされた大統領専用機に乗った。ハープ氏に対する特別な配慮が浮き彫りになった。

民主党のジョン・オソフ上院議員は8月16日の演説で「(トランプ氏は)仕事をしたいのではない。ナタリーと旅行がしたいのだ」と発言した。実際、ハープ氏は昨年1月の第2次トランプ政権発足後、一日も休まず、トランプ氏の外国訪問やゴルフに同行しているという。肩書は大統領特別補佐官だが、外出先でも携帯用の印刷機を持ち歩き、トランプ氏にその場で資料を印刷して手渡すことから「人間プリンター」との異名を持つ。

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政権内で高まる懸念と情報の偏り

ハープ氏は、第1次トランプ政権が実施した医療政策により、持病の骨肉腫で適切な治療を受けられるようになったと2019年のテレビ番組で語り、トランプ氏の目に留まった。保守系テレビ番組の司会者を経て、トランプ氏が大統領選に敗れた後の22年から秘書を務めている。ハープ氏はトランプ氏に代わって外国首脳とメッセージを交わし、夜遅くまでSNSへの投稿原稿を一緒に作成することもあるという。米紙ニューヨーク・タイムズ記者の著書によるとトランプ氏は第2次政権発足後、ハープ氏について「妻や子供たちと同じくらい自分を愛してくれた唯一の人だ」と周囲に語った。

危うさも指摘されている。米メディア「MS NOW」は8月19日、ハープ氏が政権発足から1年以上にわたり、機密情報を扱う権限を得るための審査を拒んでいたと報じた。政権内ではハープ氏の情報管理への懸念が高まった。ハープ氏は軍事作戦を協議するホワイトハウスのシチュエーションルーム(戦況報告室)にも同行するという。

トランプ氏が受け取る情報の偏りを懸念する声も根強い。ハープ氏はトランプ氏に好意的な報道や信頼性の低い世論調査結果を伝えているとされる。米ニュースサイト「デイリー・ビースト」は19日、トランプ氏の支持率がイラン情勢で低迷しているにもかかわらず、ハープ氏が「史上最も人気のある大統領だという妄想を助長させている」と指摘した。

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