11月の米中間選挙に向けた予備選で、野党・民主党の候補を選ぶ過程において、急進左派の民主社会主義勢力が存在感を増している。しかし、民主社会主義者とは何者かという問いへの答えは容易ではない。その実態は、バラエティに富む集団を包み込む「大きなテント」だからだ。
予備選での躍進と共通政策
民主党の急進左派は今年に入り、米東部ニューヨーク、首都ワシントン、西部コロラド、中西部ミシガンの各種予備選で勝利。今月11日投開票の中西部ウィスコンシン州知事選の予備選では僅差で敗れたが、18日に保守地盤が強い南部フロリダ州で投開票された上院議員予備選では事前の不利予想を覆して勝利した。
7月に行われた米CNNテレビの世論調査によると、民主党支持者の約3分の1が自らを民主社会主義者と認識している。米紙ワシントン・ポストなどの調査では、大統領選で民主社会主義者が候補になれば75%が支持すると答えた。
選挙に出馬する民主社会主義系候補の政策は一様ではないが、共通するのは富裕層への課税強化、高福祉政策、国民皆保険、強引な不法移民の取り締まりに批判がある米移民・税関捜査局(ICE)の廃止といったところだ。
DSAの存在とその射程
民主社会主義は、それだけには収まらない射程を持つ。それを読み解くカギが、米最大の社会主義団体「米民主社会主義者(DSA)」の存在だ。各種選挙における急進左派候補の躍進を語る上でDSAの存在は欠かせない。会員数は公称12万人超。予備選では彼らが戸別訪問や電話で候補への支持を呼び掛け、得票の原動力になっている。



