ウクライナ侵略を続けるロシアと核・ミサイル開発を進める北朝鮮が、軍事協力を一段と深めている。ラブロフ露外相は今月、北朝鮮の「祖国解放節」に合わせて崔善姫外相にメッセージを送り、露朝は「正義の新しい世界秩序」に取り組んでいると自賛した。露朝結託の脅威はウクライナだけでなく、日本などアジア諸国にも及ぶ。高市早苗政権は、露朝の弱体化に向けた対抗策を早急に検討すべきだ。
露朝の軍事協力の深化
ロシアがウクライナに全面侵攻した2022年2月以降、北朝鮮はロシアに大量の砲弾やミサイルを提供してきた。24年には事実上の軍事同盟条約である包括的戦略パートナーシップ条約を結び、兵員1万数千人を送り込んだ。ウクライナ情報当局は今月、北朝鮮が露西部に弾道ミサイル部隊を配備する計画で、一部はすでに現地入りしたと明らかにした。
北朝鮮兵の追加派兵と技術支援
ゼレンスキー大統領によれば、北朝鮮がロシアに3万~5万人を追加派兵する計画もある。露軍はウクライナ侵略で続出する死傷者を新兵で補充しきれておらず、北朝鮮兵で穴埋めを図る思惑だろう。ロシアは見返りとして、防空兵器や電子戦システム、ドローン(無人機)技術を北朝鮮に供与していると分析されている。北朝鮮製ミサイルの精度は飛躍的に向上しており、ロシアの技術支援を受けていることは確実だ。核関連技術が北朝鮮に渡ることも強く警戒される。
日本の対応が急務
ウクライナは今、米製の地対空誘導弾パトリオットが不足しており、ロシアによる長距離ミサイル攻撃には脆弱だ。日本は傍観してはならない。欧米と連携してウクライナ支援を進め、露朝による国際秩序の破壊を食い止めるときだ。ウクライナで露朝が損耗すれば日本とアジアの安全保障につながるという認識も不可欠である。
日本政府は昨年11月までに、日本企業がライセンス生産した地対空誘導弾パトリオットミサイルを初めて対米輸出した。米国でパトリオットの余裕が生まれ、ウクライナに供与できるようになった。日本は間接、直接輸出を問わず手立てを講じ、ウクライナにより多くのパトリオットが渡るようにしたい。ウクライナは日本とのドローン技術共有に前向きであり、有益な協力関係につながるはずだ。



