米国政府高官は4月18日、ロシアがウクライナ東部で新たな大規模攻勢を開始した兆候があると警告した。同高官は匿名を条件に記者団に語り、ロシア軍は過去48時間にわたり、ドンバス地域で攻撃を強化していると述べた。
ドンバスでの戦闘激化
ウクライナ当局も、東部のルハンスク州とドネツク州で激しい戦闘が続いていると報告。ロシア軍は砲撃と地上攻撃を組み合わせて前進を試みており、ウクライナ側は防御線を維持している。現地の報道によると、複数の集落で砲撃による被害が確認され、民間人の避難が急ピッチで進められている。
米国高官は「ロシア軍は兵力と装備を再編成し、ドンバスでの作戦に集中している。これはプーチン大統領の戦略目標であるドネツク州とルハンスク州の完全掌握に向けた動きだ」と分析した。
民間人犠牲者の増加
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、ウクライナ東部での戦闘激化により、民間人犠牲者が急増していると警告。4月に入ってからの死者数は少なくとも200人に上り、その多くは砲撃やミサイル攻撃によるものだという。避難を余儀なくされた住民は数十万人に達し、人道状況は悪化の一途をたどっている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は18日のビデオ演説で「ロシアは新たな攻勢を開始した。我々は防衛のために戦う」と述べ、国民に団結を呼びかけた。また、西側諸国に対し、より強力な軍事支援を改めて要請した。
西側諸国の対応
米国は既にウクライナに対し、砲弾や装甲車両など総額8億ドル(約1020億円)の追加軍事支援を発表。欧州連合(EU)も新たな制裁パッケージを準備している。しかし、ロシアの攻勢を食い止めるには十分ではないとの見方も強い。
専門家は、この攻勢がウクライナ東部の支配権をめぐる長期戦の始まりになると予測。両軍の消耗戦が続けば、更なる犠牲と破壊が避けられないと警告している。



