ルート66走破、選挙結果信じない町 集計機メーカー幹部に殺害予告
ルート66走破、選挙結果信じない町 集計機メーカー幹部に殺害予告

2022年6月、ニューメキシコ州オテロ郡で、郡委員3人全員が予備選結果の認証を拒否する騒動が起きた。理由は投票集計機への不信とされ、集計機メーカー幹部には殺害予告が届いていた。中間選挙を前に、記者が現地で当事者の認識を聞いた。

郡委員長「バイデンが勝ったはずなんてない」

テキサス州アマリロを出た記者は、ルート66を離れて南へ進路を変えた。道の脇を長い貨物列車が走り、すれ違ったり追い越したりしながら、約7時間で峠を越え、山に囲まれた盆地に到着した。ニューメキシコ州オテロ郡だ。郡庁所在地アラモゴードは標高約1300メートル。東には標高2500メートル超のサクラメント山脈がそびえる。

ルート66から大きく外れたのは、2022年6月、3人いる郡委員の全員が予備選結果の認証を拒んだ騒動を取材するためだった。投票集計機への不信が理由だったらしい。民主主義の根幹にある選挙制度への信頼が揺らぐ、現代アメリカを象徴するような出来事だ。

州最高裁命令の末に認証、しかし認識は変わらず

認証を当初拒んだ一人、現職の郡委員長ビッキー・マーカートさん(68)に会うことができた。郡委員には2020年に当選し、2024年に再選。委員長になって5年ほどという。4年前の騒動では、州最高裁から命じられた末、最終的に認証に応じたと現地報道で読んでいたため、記者は解決済みの話だと思っていた。だが、違った。マーカートさんは「バイデンが勝ったはずなんてない」と話す。

集計機メーカー幹部には殺害予告が届いており、選挙への不信は個人への脅迫にまで発展している。11月の中間選挙を目前に控える今、当事者の認識を問う連載の第8回。