イラン「地下核施設」に米攻撃警告もバンカーバスターでは到達不可か
イラン地下核施設に米攻撃警告、バンカーバスター届かず

ドナルド・トランプ米大統領が21日に「激しい攻撃を加える」と警告したイラン中部のコラング山(英語名:ピックアックス山)をめぐり、地下深くに作られた核施設の隠れみのになっているとの疑いがある。トランプ氏は先週、この山は「正面入口への強力な一撃を加える際の標的となる」と述べていた。

イラン政府は同地で核関連作業は行われていないと否定。外務省のエスマイル・バガエイ報道官は、トランプ氏の発言を「侵略のための捏造された口実」と非難した。

ピックアックス山と核施設

ピックアックス山は、イラン中部ナタンズのウラン濃縮施設の近くにある。同施設は昨年、米国とイスラエルがイランと12日間にわたって武力衝突した際に攻撃を受けた。

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欧米の専門家によると、イランはこの山の地下深くで核施設の建設工事を2020年に始めたとされる。これはナタンズの遠心分離機組み立て施設で起きた妨害工作による火災発生後となる。イラン原子力庁トップは当時、ナタンズ近くの「山の中」に新たな施設を建設すると述べていた。

米国は昨年6月、ナタンズとフォルドゥの核施設を攻撃するためにバンカーバスター「GBU-57」を使用したが、米科学国際安全保障研究所(ISIS)によると、ピックアックス山はその際の攻撃で標的とされておらず、2月28日に始まった現在の軍事衝突でも標的となっていない。

深さと爆弾の限界

国際政治の専門家モハンマド・ハサン・ナジミ氏によると、昨年のフォルドゥの地下施設に対して爆弾が複数投下されたため、イラン当局はピックアックス山のさらに深い層に施設を設置することを計画したという。

ISISが今月14日に公表した衛星画像に基づく分析によると、少なくとも100メートルの深さにあるとされる新施設はまだ稼働しておらず、工事も継続中だとされる。

カーネギー財団の核問題専門家ジェームズ・アクトン氏は、その深さはGBU-57爆弾の貫通能力を超えているとし、アクセス坑道を破壊できたとしても「それだけでは決定打にはならない」と指摘した。

またISISによると、地下空間は兵器級ウランを製造可能な遠心分離機濃縮プラントを収容するのに十分な広さが確保されている可能性があるという。

情報公開のタイミング

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は22日、イスラエル情報機関が昨秋、数千台の遠心分離機がピックアックス山の下に移送されたと米国に対し断言したと報じた。

複数のイラン専門家は、この情報が公表された「タイミング」に強く注目している。トランプ氏の関心はここしばらく、イスラエルが最重要視する核問題ではなく、ホルムズ海峡の再開に向かっていたためだ。今回の公表には、その関心を再び核問題へ引き戻す狙いがあるとみられる。

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