シリコンバレーなどのテック企業が国家に並ぶ力を獲得したと言われて久しい。しかし、元欧州議会議員でテック政策研究者のマリエッチェ・スハーケ氏は、実際にはテック企業が国家の権能そのものを乗っ取る「クーデター」が起きていると指摘する。
「かつて国防や諜報、インフラ開発といった領域は公共の責任を負った政治と政府の専売特許でした。しかし今は海底ケーブルの開発・敷設から戦争での爆撃ターゲットの決定、機密情報の真偽の選別までテック企業が担っています」とスハーケ氏は述べる。
「有権者に選ばれたわけでもない企業が、監視や抑制もないまま、正当なプロセスを経ずに国家権力を奪取してしまっている。これはまさにクーデターです。テック企業の独善だけでなく、それを許してきた政治指導者たちも批判されるべきです」と訴える。
イーロン・マスク氏の事例
スハーケ氏は米起業家イーロン・マスク氏を典型例に挙げ、「彼は衛星通信サービス『スターリンク』のウクライナ側への提供を一時拒み、ロシア寄りの『和平案』を示しました。たった一人の富豪が地政学的な決定権を持ち、国際法を無視して自らのビジョンを世界に強制できる現実が生まれています」と批判する。
スハーケ氏は元欧州議会議員で、現在はテック政策研究者として活動している。このインタビューは2026年7月28日に掲載された有料記事の一部で、この後も続きがある。



