ウクライナのキーウで3年半前、バスから続々と降りる子どもたちが、迎えに来た母親や父親と涙ながらに抱き合う姿を見た。ロシア軍が占領した地域から連れ去られた後、慈善団体によって救出された子どもたちだ。
ICCの逮捕状と子どもたちの言葉
この5日前、国際刑事裁判所(ICC)が、子ども連れ去りに関与した戦争犯罪の容疑で、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を発行した。親たちが求めたのは、子どもたちを奪った者への正義の裁きだった。子どもたちの言葉はもっと直接的だった。10歳の男児は「(プーチン氏には)刑務所行きが似合っている」と言った。
これは戦争被害のほんの一部に過ぎない。ウクライナだけでなく、戦争や紛争で圧倒的に理不尽な形で苦しめられ、虐殺される人たちは世界中に数え切れないほどいる。
ICCの役割と米国の圧力
小さな声を聞き、重大な不正義をただす。2度の世界大戦の反省などを経て設立されたICCは、法に基づく国際秩序の重要な一翼を担ってきた。
一方で、トランプ政権がICCへ圧力を強めている。赤根所長への制裁が行われ、クレジットカードも使用不可となる事態に直面している。ICCは「できる限り抵抗する」としているが、制裁の猶予期間には米側の狙いがにじむ。
ノーベル平和賞を受賞したピレイ氏は「全ての国際犯罪の生存者に捧げたい」と述べた。法の支配と力の支配のコントラストが、国際社会で改めて問われている。