スペイン当局は2日、モロッコから飛び地セウタに押し寄せた不法移民で、少なくとも72人が死亡したと発表した。中央政府から派遣された現地責任者のミゲル・アンヘル・ペレス・トリアノ氏は、これまでに把握している死者数は72人と記者団に明らかにした。以前の発表では67人だった。
一方、モロッコ内務省は同日後刻、セウタへの流入で11人が死亡したと発表した。うち10人が溺死、1人が岩場から転落したと説明している。
過去最大規模の越境事象
7月29~31日に起きた突然の大量流入では、一時は推定6万人がスペイン側に流入したとされる。同地域の越境事象としては過去最大規模で、多くは海を泳いで渡った。大半は既にモロッコへ戻った。
不法移民の大半は48時間以内にモロッコへと送り返され、セウタの町は日常を取り戻し始めている。警察や軍が市内の警戒を続けており、残っているのは小さなグループのみとなっている。
海上の捜索と新たな対策
地中海に伸びる国境フェンス周辺の海域では、救助隊の小型ゴムボートが捜索を続けている。対策強化のため、新たに浮きフェンスが500メートルにわたって増設された。
モロッコによる圧力の可能性
一部のアナリストは、近年アルジェリアとの関係を深めているスペインに外交的圧力をかけるため、モロッコが移民の国境通過を容認した可能性があると指摘している。アルジェリアはモロッコと対立関係にある。
2021年にも、モロッコがスペインへの圧力をかける手段として国境管理を緩めたことがある。その際には約1万人の移民がセウタに越境した。その噂はSNS上で急速に拡散され、「国境が開いていると聞いた」と話す人もいた。



