統合失調症がある沖縄県浦添市の翁長良盛さん(29)が、父親とペアを組んでブラジル発祥のビーチスポーツ「フレスコボール」に取り組んでいる。症状の悪化で一時は社会や家族とのつながりが切れかけたが、相手が返球しやすい球を打つ「思いやりのスポーツ」が、前向きな気持ちにさせてくれているという。
高校卒業後に発症、大声や幻聴
快活な性格で高校まで友人も多かった翁長さんに変化が表れたのは、高校を卒業してからだ。「仕事をする」と言っても行動に移せず、突然大声を出し、自宅で暴れることもあった。自分をののしるような幻聴にも悩まされ、周囲に促されて受診し、統合失調症と診断された。感情表現が乏しくなり、親子の会話もままならず、病院のデイケアに通う以外は引きこもって寝てばかりの生活を送った。
三線サークル仲間がつなぐ縁
心配した父・盛茂さん(73)が相談したのが、地元の三線サークル仲間の小寺以作さん(52)だった。小寺さんは新聞社のブラジル特派員時代、老若男女が砂浜で楽しむフレスコボールに出会った。退職後に移住した沖縄で2022年、県民の運動不足解消につなげようと、地域クラブ「日陰DEフレスコボール沖縄」を設立した。
話を聞いた盛茂さんは、息子にもやらせてもらえないかと申し出た。翁長さんにうまく対応できるか不安を抱いた小寺さんも、熱心に何度も頼み込む盛茂さんに心を動かされ、23年9月に親子を受け入れた。