トランプ氏、ゼレンスキー氏に代わる新大統領選出の時期と主張 製油所攻撃を非難
トランプ氏、ウクライナに新大統領選出の時期と主張 製油所攻撃非難

ドナルド・トランプ米大統領は10日、ウクライナによるロシアの製油所攻撃を強く非難し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領に代わる新たな指導者を選ぶ時期にきていると主張した。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、ゼレンスキー氏がロシアの製油所を攻撃しないよう求めた自身の指示に従わなかったと語った。米国とイスラエルによるイランとの戦争で世界的な燃料不足が生じており、ウクライナの攻撃がこれを悪化させる恐れがあると指摘。ゼレンスキー氏に対し、ロシアを攻撃してもかまわないが「製油所は攻撃するな」と伝えたことを明らかにし、「絶対にやめるべきだ」と警告した。

トランプ氏、ゼレンスキー氏の取引能力に疑問

その上で、ゼレンスキー氏は「何度も取引をまとめることができたはずなのに、なぜかそうしなかった」と述べ、戦争を終結させるために「ウクライナは新しい大統領を迎えるべき時期にきている」と語った。

トランプ氏は9日、ロシアが大量の軽油(ディーゼル燃料)を世界市場に供給することで合意したと発表。11月の米中間選挙を前に燃料価格の引き下げを図る狙いで、ロシアに対する制裁を緩和した。

ロシアとEUの反応

ロシアは2022年にウクライナに侵攻して以来、米国やその同盟国などから度重なる制裁を科されてきた。ゼレンスキー氏は、トランプ氏の決定を「パートナーにふさわしくない」「弱腰」だと批判した。

ロシア大統領府の経済協力担当特使キリル・ドミトリエフ氏は10日、トランプ氏がウクライナの大統領交代を求めた発言を歓迎した。ドミトリエフ氏はX(旧ツイッター)に「トランプ大統領は、ウクライナにはゼレンスキー氏の好戦的な姿勢ではなく、真に平和を重視する指導者が必要だと考える多くの人々に加わった。象徴的で歴史的だ」と投稿した。

一方、欧州連合(EU)のカヤ・カラス外交安全保障上級代表は10日、ロシア産軽油に対する制裁解除は、ロシアによるウクライナ侵攻を助長するだけだと指摘した。カラス氏はSNSに「今はロシアへの圧力を緩める時ではない。欧州は圧力を緩めない」と投稿した。

ウクライナでの攻撃激化と和平交渉の停滞

米国とウクライナの関係がぎくしゃくする中、ロシアによるウクライナへの攻撃で、子ども4人を含む少なくとも21人が死亡した。ロシアはここ数か月、ウクライナへの攻撃を激化させており、民間人の死傷者が急増している。一方、4年半以上続く戦争の終結を目指す米国主導の和平交渉は行き詰まったままだ。