米共和党が11月の米中間選挙を前に開いた異例の党大会で、トランプ大統領は支持者に投票を呼びかけ、共和党が勝利した場合に米国の成人全員へ1人5000ドル(約77万円)を配ると約束した。選挙戦での劣勢をはね返そうとする焦りが際立つ結果となった。
4年に1度の大統領選に合わせる通常と異なる開催
党大会は通常、4年に1度の大統領選に合わせて行われるが、トランプ氏の発案で共和党では初の中間選挙前の開催となった。トランプ氏は2日連続で登壇して長広舌をふるった。
連邦議会上下両院選や州知事選などが行われる中間選挙は政権の中間評価とされ、与党に不利な結果となることが多い。今回も上下両院で多数派を占める共和党は民主党に苦戦している。
支持率30%程度、党大会欠席の候補も
党大会でトランプ氏は「私の名前が投票用紙に載っているつもりで投票してほしい」と支持者に呼びかけた。だが、トランプ氏の支持率はイラン攻撃の長期化による物価上昇への不満などから30%程度と低迷している。
共和党内では、不人気な大統領と距離を置くため、党大会への出席を見合わせた候補も多かったという。トランプ氏が前面に出る戦略が有利に働く保証はない。
イラン攻撃と原油価格100ドル突破
対イラン攻撃に関してトランプ氏は「イランとの戦争に勝てば、石油価格は下がる」と述べた。だが政権内には、中東での紛争が2029年1月の任期満了まで長引くとの見方が強まっているという。
原油供給の混乱が当面続くとの懸念から、原油価格は党大会中に1バレルあたり100ドルを突破する高値水準となった。イランとの戦闘の早期終結には外交交渉を再開するほかない。
習近平氏との会談や金正恩氏との4度目の会談に意欲
党大会では、今月下旬に行われる中国の習近平国家主席との会談に触れ、「彼とはとてもいい関係だ」と強調した。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との4度目の会談にもたびたび意欲を示す。
トランプ氏は内政のみならず外交でも奇策を講じて勢いを取り戻そうとするとの懸念がぬぐえない。一時の注目を集めようと安易な妥協をすれば、後世に禍根を残すことになろう。



