米国のトランプ政権は、香港に対する優遇措置を再開する方針を固めた。米財務省が2026年7月17日に明らかにした。これにより、2020年に廃止された香港の「一国二制度」を前提とした貿易やビザ発給などの特例措置が復活する。中国側はこの動きを「重要な一歩」として歓迎している。
優遇措置の背景と経緯
米国はこれまで、香港の高度な自治を保証する「一国二制度」を前提に、香港を中国本土とは別の経済・通商単位として扱い、関税やビザ発給などで優遇してきた。しかし、2020年に香港国家安全維持法(国安法)が施行されたことを受け、当時のトランプ第一次政権は大統領令によりこれらの優遇措置を撤廃。さらに、国安法による取り締まりに関与した個人や団体に対する制裁を科し、その対象は48人に上っていた。
大統領令の更新期限と再開決定
この大統領令は、バイデン前政権を含め1年ごとに更新されてきた。直近の更新期限は2026年7月14日だったが、トランプ政権は更新を見送り、優遇措置の再開に踏み切った。米財務省の発表によれば、再開の理由として「香港の経済的自由の維持」と「米中関係の安定化」が挙げられている。
中国の反応と今後の展望
中国政府はこの決定を高く評価し、香港特別行政区の李家超行政長官は「一国二制度の原則が国際社会に認識された証拠だ」と声明を発表した。2026年には米中首脳による複数回の直接会談が予定されており、今回の措置は両国関係の緊張緩和につながる可能性がある。
一方で、米国内からは「国安法の下での人権抑圧を見過ごすものだ」との批判も出ている。トランプ政権は、再開された優遇措置の監視を強化し、香港の自治状況を継続的に評価するとしている。



