台湾で5日、年に一度の大規模軍事演習「漢光」が始まった。14日までの10日間、中国軍が演習を装って台湾侵攻に乗り出す事態を想定し、即応・継戦能力を検証する。中国のサイバー攻撃を念頭に、一部の都市ではスマートフォンの通信速度を低下させる市民訓練も初めて行う。
頼総統が自立防衛を強調
頼清徳(ライチンドォー)総統は5日、中谷元・前防衛相ら海外の賓客との会見で演習に触れ、他国から武器を購入するだけでなく、自立した防衛を「積極的に推進していく」と強調した。2万人以上の予備役も招集する。
グレーゾーン戦術への即応
台湾では、中国軍が侵攻の前段階として、演習などを装って台湾周辺を封鎖する「グレーゾーン」戦術に出るとの見方が強い。演習では事前にシナリオを設けず、中国軍の動きに即応する。重点項目として、海軍と日本の海上保安庁に相当する海巡署が連携し、シーレーンを確保して重要物資の輸送を護衛する「反封鎖」訓練を西太平洋で行う。
サイバー攻撃対応と市民訓練
サイバー攻撃への対応も柱となる。中国が侵攻前に防衛産業の拠点などの機能停止を図る事態を想定し、生産ラインの移転や民間工場の軍事転用を訓練する。軍事演習と並行する官民の防空・救助演習では、台湾を5地域に分け、順次、30分間の避難訓練を行う。人口の7割以上が暮らす中部と北部では、動画などのダウンロードが難しくなる水準まで通信速度を落とす。スマホに依存する市民に「対応能力を高めてもらう」(国防部幹部)狙いがある。



