対イラン軍事作戦の長期化に伴い、米軍の弾薬不足が深刻化している。米戦略国際問題研究所(CSIS)の分析によると、地対空誘導弾パトリオット用ミサイルの在庫数は、今年2月の作戦開始前と比較し、約3分の1の水準まで減少した。CSISの推計では、パトリオット用ミサイルの備蓄は2月末の攻撃開始前の2330発から今月末には827発以下に、ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」のミサイルも452発から278発以下へと減少した。いずれも米軍の弾道ミサイル防衛の主力装備で、備蓄量の減少は米軍の防空能力の低下に直結する。
統合参謀本部議長がトランプ氏に懸念伝達
米CNNによると、米軍制服組トップのダン・ケイン統合参謀本部議長は先週、トランプ米大統領に備蓄の大幅な減少への懸念を伝えた。トランプ氏は弾薬不足を否定しているが、迎撃ミサイルが不足すれば、対イラン作戦の継続が難しくなる恐れがある。米NBCニュースは、米軍司令官らがミサイルの消耗を抑えるため、兵士への直撃や重要施設への重大な被害が見込まれない場合、イランのミサイルを迎撃しないことがあると報じた。すでに迎撃対象を絞らざるを得ない状況にあるとみられる。
対中抑止力低下の懸念
CSISは、弾薬の枯渇が、中国との有事を想定した西太平洋での米軍の抑止力を低下させる恐れがあると指摘した。



