8月26日朝、ネパールの中国国境に近いランタン・リルン山の斜面で大規模な崩落が発生し、大量の氷や岩石、水が一体となって津波のような勢いの土石流となって谷を流れ下り、橋や建物を押し流しながら下流へ広がった。現地では「ヒマラヤ津波」とも呼ばれた。
約67万人にSMS警報、しかし避難に結びつかず
ネパール政府に第一報が入ったのは午前8時55分。その後、携帯電話会社を通じて「チベット側から大規模な洪水が流入した。安全な場所にとどまるように要請します」という警報がSMS(ショートメッセージ)によって約67万人に発信された。
だが、警報は必ずしも住民の避難には結びつかなかった。発生地から約50キロ下流の地域でも、警報に気づかなかった住民がいた。
住民「警報に気づかなかった」
土石流の後、携帯電話に送られてきたSMS警報に気づかなかったと話すサルミラ・リマルさん(右)=2026年8月30日、ネパール中部ビドゥール、鈴木暁子撮影。
政府は警報の伝達方法を含む体制の見直しを急いでいる。被災地を歩き、災害後に浮かび上がった課題を探る。