長崎県内でIR再誘致の動き広がる、大村市に協議会発足 県は慎重姿勢
長崎県内でIR再誘致の動き広がる、大村市に協議会発足 県は慎重

長崎県内で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の再誘致を目指す動きが広がっている。大村市では、民間企業が中心となって再誘致を調査・検討する協議会が発足し、佐世保市でも要望書が市に提出された。一方で、3年前に事業計画が不認定となった県は「民間の動きを注視したい」として、現行制度での誘致には慎重な姿勢を示している。

大村市で協議会が発足、民間企業約40社が参加

今月2日に大村市で「大村湾グリーンIR誘致検討協議会」の設立総会が開かれ、会長を務める大村商工会議所の中村人久会頭は「IRの持つ圧倒的な集客力と、経済波及効果が地方創生の起爆剤になる。県全体の活性化と持続可能な発展を見据えて、尽力していく」と述べた。

同協議会には県内外の民間企業約40社が参加。空港や新幹線などの充実した交通網を生かしながら、再生可能エネルギーなどを活用して大村湾の自然と共生する環境調和型のIRを目指すとしている。総会では、今年度中に誘致に向けた基本構想を策定することなどを定めた事業計画が採決された。

背景に不認定の経緯、県は慎重な姿勢

IRは関連法に基づき国内で最大3か所に整備することが決まっているが、これまでに認定されたのは大阪のみ。長崎県は佐世保市の大型リゾート施設「ハウステンボス」への誘致計画を2022年に国へ提出したが、国の審査で事業に必要な巨額の資金調達を実現できるかどうかの根拠が不十分と判断され、23年12月に不認定となった。

その後、県は行政不服審査法に基づく政府への審査請求を断念し、誘致を事実上終了した。県が作成した報告書では、運営や出資に関する基準が明示されていないなどの審査の問題点を指摘し、「国が客観的な審査基準を明確にしなければ、地方公共団体としてIRの整備に向けた取り組みは困難」と結論づけている。