インドの警察は10日、首都ニューデリーで中央選挙管理委員長の辞任を求めるデモを予定していた「ゴキブリ人民党」の創設者アビジート・ディプケ氏ら幹部3人を一時拘束した。PTI通信などによると、警察は抗議活動に参加しようとしていた7千人以上を拘束。11日も抗議者の拘束が相次いだ。
飛行機内での拘束と予防逮捕
ゴキブリ人民党がSNSで公開した動画によると、ディプケ氏らは10日にニューデリーに到着した機内で拘束された。警察はデモの実施を認めていなかった。警察は、社会の平穏を乱す恐れがある場合に適用できる規定に基づく「予防逮捕」だとしている。
ディプケ氏らは11日朝、1年間平穏を乱さないことなどを条件に釈放された。
異例の警備態勢と抗議の背景
デモが予定された場所に近い繁華街では11日も政府に抗議する若者らが集まり、警察が両手足を引っ張り上げるなどして拘束していく様子が報じられている。
インド紙ヒンドゥーなどによると、当局は10日、2万人を超える治安部隊を投入し、45の地下鉄駅で出入り口を閉鎖、デモが予定された場所の周辺でインターネットを遮断する異例の警備態勢を敷いた。
今回のデモは、中央選管のクマール委員長の辞任と、選挙人名簿の改訂の停止や見直しを求めるものだった。インドでは、有権者名簿の改訂で多数の有権者が不当に削除されたとの訴えが出ている。選管は死亡や転居、重複登録の整理が目的だとしているが、反対派は、イスラム教徒や被差別カーストなどに影響が偏ると主張している。
国連の懸念とインド外務省の反発
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は10日、大勢の拘束に懸念を示し、平和的集会の権利の尊重と拘束者の解放を求めた。これに対しインド外務省は11日、「インドは世界最大の民主主義国家だ」と反発し、「内政への干渉だ」と批判した。
拘束された報道担当が記者会見「集会の自由を守る闘い」と述べた。