中国副主席、国連演説で途上国の利益保護を強調、対米批判は回避
中国副主席、国連で途上国利益守ると強調 対米批判回避

中国の韓正・国家副主席は26日、米ニューヨークで開催中の国連総会の一般討論演説で、中国は「途上国の正当な権利と利益を守り、グローバルガバナンスの仕組みがより公正で合理的な方向へと発展することを推進し続ける」と述べた。グローバルサウス(新興・途上国)諸国の引き寄せを狙った発言だ。

一方的な軍事行動への反対を表明

韓氏は、国連憲章に違反する「一方的な軍事行動」への反対を呼びかけた。名指しでの批判は避けたが、米国のイラン攻撃などが念頭にあるとみられ、「大国は国際的な平和と安全に特別な責任を負っており、率先してルールを守るべきだ」とも強調した。

中国の習近平国家主席は23~25日に米ワシントンを訪れ、トランプ米大統領と会談したばかり。中国共産党指導部は、米国との関係安定化を進めると同時に、中長期をにらんで米欧主導とみなす国際秩序を「多極化」させる戦略を進めている。

グローバルサウス重視の戦略

こうした戦略を進めるうえで、グローバルサウス諸国との関係を重視している。韓氏は「中国は常に変革の力、進歩の力であり、グローバルサウスのために正義の声を堅持する」とアピールした。

韓氏はニューヨークで、ガーナやキリバスなどグローバルサウス諸国の首脳と会談を重ねた。

習氏はニューヨークに立ち寄らず

中国外務省によると、韓氏は25日に国連のグテレス事務総長と会談し、「多国間主義を守り、グローバルガバナンスを改革し健全化することは国際社会の普遍的な声だ」と主張した。

習氏は、今回の訪米ではニューヨークには立ち寄らず、一般討論演説を韓氏に任せた。最大の外交課題である米中関係に集中したほか、対米関係に影響を与えかねない中東問題などについて発言する機会を回避した可能性がある。

韓氏は、中東問題に関し「中東湾岸諸国の主権と安全は尊重されるべきだ」などと述べるにとどめた。