中国・上海の江南造船所で、船体上部から突き出た艦橋を極めて小型化した中国軍の新型潜水艦の存在が確認された。米国の衛星企業が撮影した衛星画像を朝日新聞が分析した。複数の専門家によると、攻撃型原子力潜水艦の可能性が高いという。中国が潜水艦の攻撃能力を向上させている実態が浮かび上がった。
衛星画像が捉えた新型潜水艦
衛星画像は米衛星企業「BlackSky」が5月29日、江南造船所の浮きドックに載せられた潜水艦を上空から撮影した。衛星画像のアナリストによると、潜水艦の全長は約120メートル、全幅は約10メートルという。
自衛隊で潜水艦隊司令官を務めた小林正男・元海将の分析によると、今回撮影された潜水艦は、通常型潜水艦より大きく、サイズは現在運用する近代型の093型攻撃型原潜に近いという。093型の改良型か新型の可能性が高いとみる。
艦橋小型化の利点
従来の093型と異なる特徴は、潜望鏡などを使って操船の指揮を行う艦橋が衛星画像からは確認しにくいほど小型化されていることだ。艦橋が小型化すれば、海中で水の抵抗や雑音が減り、速力が出て探知されにくくなる。小林氏は「海中で静かに米国の空母に近づき、攻撃する役割ではないか」と指摘する。
原潜建造能力の急拡大
中国が、原子力潜水艦の建造能力を急拡大させている。英国際戦略研究所によると、中国は2021~25年に満載排水量で米国を上回る約7万9千トンの原潜10隻を進水させた。5月末に米衛星企業が撮影した新型の潜水艦も原潜とみられており、中国は複数の造船所で原潜を建造できる態勢を整えている可能性がある。



