7月のマニラで、日中の外相が接触したかどうかを巡り、中国側が完全に否定する事態となっている。茂木敏充外相は23日、前日に王毅外相と短時間接触し「2国間関係の話をした」と記者団に述べた。しかし、中国外務省報道官は27日、「簡単な交流」すらなかったと否定した。
会場での入れ違いが「会談」ではないが…
東南アジア諸国連合(ASEAN)の外相会合の会場で、日中両外相が入れ違いに顔を合わせたというのが実情で、「会談」と呼べるものではない。だが、中国側が接触そのものを否定するのは異例だ。
日中関係が悪化する中、王毅氏が茂木氏に日本の「新型軍国主義」について抗議したとでも言えば、面子は保てたはずである。中国外務省は、南シナ海仲裁判断から10年の12日に、茂木氏が談話を出したことに名指しで反発したばかりで、外相個人を避けた可能性がある。
「日本執政当局」という呼称の意味
中国外務省は6月24日の記者会見で、「日本政府」ではなく「日本執政当局」と表現した。ある中国人記者は「日本全体を代表せず正統性がないかのような響き」と指摘する。
この言葉を初めて使ったのは、高市首相が衆院選で大勝した2月8日の翌日。報道官は選挙結果を受け「日本執政当局」に対し「軍国主義の轍を踏まない」ことを求めた。さらに、5月7日には「日本執政当局に問題の根源を正視するよう促す」と述べており、高市政権を指すことが明らかだ。
首相を「呼び捨て」で批判
報道官は7月20日に至り、従来の「日本首相」や「首相」という肩書を使わず、「高市早苗の就任以来、日本の右翼勢力が軍国主義を復活させた」と首相を呼び捨てで批判。非核三原則の見直しについても「日本執政当局は核問題で逆行してはならない」と牽制した。



