中国海警局、木製棒で比兵士殴打 南シナ海で衝突
中国海警局、木製棒で比兵士殴打 南シナ海衝突

フィリピン軍は2026年7月20日、南シナ海のスプラトリー諸島アユンギン礁(セカンド・トーマス礁)に座礁する軍艦「BRPシエラ・マドレ」周辺で、中国海警局の船員がフィリピン兵士を木製の棒で殴打し、負傷させたと明らかにした。この発表は、両国外相が今週マニラで会談する予定であることが公表されたわずか数時間後に行われ、緊張が一層高まっている。

衝突の詳細とフィリピン側の主張

フィリピン軍の声明によれば、中国の複合艇(RHIB)に乗った8人の乗組員が、座礁船「BRPシエラ・マドレ」の周囲を航行し、写真や動画を撮影していた。これに対し、フィリピン側はゴムボート2隻を派遣して中国船を追い払おうとした。しかし、中国海警局の船員は「激しく攻撃的に反発し、フィリピン兵の頭部を木製のバトンで殴打して負傷させ、海軍のゴムボートを破損させた」と声明は述べている。負傷した兵士の詳細な状態は明らかにされていないが、軍関係者は治療を受けたと報告している。

フィリピン国防省は別の声明を発表し、今回の衝突を「中国海警局による挑発的かつ敵対的な行動の明確なパターン(常套手段)に拍車をかけるものだ」と非難した。国防省はさらに、中国側の行動が国際法違反であり、地域の安定を脅かすものだと強調した。

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過去の衝突と外交的緊張の高まり

両国の間では、2024年6月にも同礁への補給ミッションをめぐり、ナイフや斧で武装した中国側がフィリピン兵を襲撃する激しい衝突が発生していた。今回の事件は、そのような過去の緊張をさらに悪化させるものとなった。また、フィリピンが中国国営メディアの動画に対して外交ルートを通じて抗議した直後でもあり、南シナ海の領有権をめぐる非難の応酬が激化する中での新たな衝突となった。フィリピン外務省は、中国側の動画がフィリピンを猿の風刺画で描いたとして強く抗議していた。

国際社会の反応と今後の見通し

今回の衝突は、南シナ海における中国の海洋進出をめぐる国際的な懸念を再燃させている。米国や日本などの同盟国は、フィリピンへの支持を表明し、中国に対して自制を求める声明を発表する可能性が高い。一方、中国外務省はまだ公式なコメントを出していないが、過去の事例と同様に、中国海警局の行動は合法的な海域での通常の活動であると主張することが予想される。両国外相の会談が予定されている中、今回の事件が外交的解決の機会を損なうかどうかが注目される。

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