BRICS首脳会議でインド、米国批判回避の調整手腕 中露との距離保て
BRICS首脳会議 インドの調整手腕 中露との距離保て

主要新興国で構成されるBRICSの首脳会議がインドで開催され、採択された共同宣言では、米国・イスラエルとイランとの交戦について、特定の国を名指しせずに関係国に「最大限の自制」を求めた。米国批判に傾かないよう調整したのは、議長国インドの手腕によるものだ。

インドの議長国としての調整

宣言は、どちらもBRICSメンバーであるイランとアラブ首長国連邦(UAE)の間で交戦が続く状況にも配慮した内容となった。インドのモディ首相は会議で「技術や重要鉱物の武器化は共通の進歩を妨げる恐れがある」と強調した。これは、日米豪との協力枠組み「クアッド」の一員として鉱物の輸出規制を進める中国を牽制した発言だ。

BRICSの反米グループ化を阻止しようとするインドの姿勢は評価できる。インドは、中国やロシアが米ドル決済に対抗するために推進しようとしているBRICS独自の決済構想にも慎重な姿勢で、歯止めをかけている。

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モディ首相の対中露外交への懸念

一方で、インドの姿勢には気掛かりな点もある。モディ氏は会議初日、習近平中国国家主席、プーチン露大統領それぞれと手を固く握り合って、笑顔で記念撮影に臨んだ。習、プーチン両氏は専制国家の指導者だ。BRICS総会で議長を務めたとはいえ、民主主義国家インドのリーダーのふるまいとして違和感も覚える。中露とは一定の距離を保つべきだ。

BRICSは2009年、中露印とブラジルの4カ国で発足し、現在はメンバーが10カ国へ拡大した。世界人口のほぼ半数、国内総生産(GDP)の約4割を占めるまでに成長している。モディ氏は会議で「(BRICS構成国の)私たちはグローバルサウス(新興・途上国)を、ルールを受け入れる側から形成する側へと変えていかなければならない」と強調した。

今後のBRICSとインドの役割

ただ、専制国家で世界の秩序を乱してきた中露、イランなどが加わるBRICSの影響下へグローバルサウスが取り込まれるのは健全ではない。中露はBRICSを、上海協力機構(SCO)と並び米国主導の国際秩序に挑戦する強力な軸にすることをあきらめないだろう。来年のBRICS議長国は中国だ。大国インドを率いるモディ氏には、中露に傾斜しない外交を展開してもらいたい。

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