第61回海事産業発展並びに海上安全祈願祭が7月15日、香川県琴平町の金刀比羅宮本殿で開催された。海の月間行事の一環として毎年行われる恒例行事で、全国の海事産業事業者や海事団体、地元関係者など110名以上が参加した。
神前での祭事と直会
金刀比羅宮は「こんぴらさん」の名で親しまれ、海の守神を祀る神社として船乗りや漁業関係者が全国から参詣する。今回の祈願祭では、斎主による祝詞奏上や八乙女舞の奏進、参列団体・企業代表者による玉串奉奠が約1時間にわたって行われた。
その後、会場を琴平グランドホテル桜の抄に移して直会式が行われた。祈願主である琴平海洋会館の代表理事副会長・黒川節弘氏は「我が国は四方を海に囲まれ、古来より海と深く関わりながら発展してきました。海洋立国を支える青少年に海や船舶への興味を高めてもらうため、資料展示や宣伝活動に尽力します」と述べた。
金刀比羅宮宮司の琴陵泰裕氏は「海の神様にふさわしいご祭典を開催できたことをありがたく存じます。皆様の船の安全を日々お祈りしています」と参列者に感謝を述べた。
中東情勢の影響と海事産業の重要性
国土交通省海事局次長・河野順氏は来賓を代表して「第61回祈願祭が全国各地からお越しの海事関係者のご列席のもと、厳粛に滞りなく終えられましたことを心からお慶び申し上げます」と祝辞を述べた。海の日制定から31年目に触れ、安全で自由な航行の重要性を強調。「中東情勢が悪化して4ヶ月以上が経過し、我が国全体に大きな影響を及ぼしています。船による交易は死活問題であり、海事産業が国民経済にとって重要であることがクローズアップされました」と語った。
琴平町長・片岡英樹氏も「中東情勢の緊迫化は燃料価格や物価上昇を通じて日々の生活に直結しています。海の安全を守り海運を支える皆様の存在がかつてなく重要です」と挨拶した。
海の科学館と関連施設
直会会場の正面に建つ琴平海洋博物館(海の科学館)には、船舶模型や海事関連の歴史的資料など約2,500点が所蔵・展示されている。表参道脇に位置し、夏場は涼みに立ち寄るのに適した施設だ。
館内には操船シミュレーターや、屋上には船の操舵室を模した展望ブリッジがあり、讃岐平野や飯野山、象頭山の景観を一望できる。天気の良い日には瀬戸内海の眺望も楽しめる。屋上のプールでは重量3~4キロのラジコン船をリアルな舵輪やエンジン・テレグラフを使って操作できる(別料金200円)。
2階の展示フロアでは年間を通して企画展を開催。宇高連絡船の最後の船長を務めた切り絵作家・萩原幹生氏から寄贈された作品も展示されている。昨年の来場者数は約1万8000人で、コロナ禍前の水準を微増。オリジナルのペーパークラフト無料配布やクイズ形式のスタンプラリーなどの新たな試みも実施されている。



