食料品消費税1%引き下げ、外食との税率差拡大や財源確保に懸念
食料品消費税1%引き下げ、懸念残る

高市首相は30日、食料品の消費税率を2年間限定で1%に引き下げる方針を表明した。減税を巡っては、食料品と外食の税率差拡大や財源の確保など様々な懸念が指摘されている。影響を受ける業界への支援や財政規律の確保などの具体策は示しておらず、今後の課題として残った。

外食との税率差拡大

食料品の消費税率を1%まで引き下げた場合、税率が10%に維持される外食との税率差は9%に拡大する。スーパーの総菜などと競合する外食産業では、客離れに伴う売り上げの減少が懸念されている。高市首相はこの点について、影響を見極めた上で「過去の様々な支援策を参考としながら、資金繰りなどのための予算措置を検討する」と述べた。

消費税減税を議論してきた社会保障国民会議の実務者会議では、プレミアム付き食事券の発行や、来店客がキャッシュレス決済をした際のポイント還元などを議論しており、こうした支援策を念頭に置いているものとみられる。

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小規模農家への影響

消費税減税は、小規模農家の収入減にもつながると指摘されている。売上高が年1000万円以下の小規模農家は、消費税の納税義務が免除される特例があり、販売で得た分の消費税分が実質的に収入の一部となっている。こうした農家は全体の8割に上る。一定の手続きをすれば、仕入れ時に支払った税額が還付される仕組みはあるものの、還付までに時間がかかり、資金繰りが悪化する恐れがある。首相は「現場の納得感のある対応を検討する」と強調した。与党との議論も踏まえ、今後の予算編成で具体化を急ぐ。

財源確保の課題

消費税は、社会保障を支える重要な財源だ。食料品の消費税引き下げは年4.3兆円の減収につながる。2026年度から先行導入する中低所得者への所得連動給付と合わせると、必要額は約5兆円に上る。代替財源の確保は欠かせず、首相は「税収動向などを見極めつつ、歳出歳入両面の見直しを進める」との考えを示した。

近年の補正予算で物価高対策のために計上してきた多額の予算を見直すとともに、租税特別措置や補助金を削減する方針だ。外国為替資金特別会計の剰余金などの税外収入(約9兆円)も活用する考えを示した。

消費税減税の実施にあたっては、首相は赤字国債の増発には頼らない方針を示しており、「予算編成改革という枠組みの中で、国債発行額を適切にコントロールし、市場の信認を確保していく」と訴えた。

ただ、具体的な財源については説明不足の感は否めず、チームみらいの峰島侑也・国会対策委員長は「依然として財源は示されていないと考えている。市場の信認を得られるかにはかなり懸念を持っている」と指摘した。

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