AIや半導体関連株の上昇を背景に、新興国市場へ再び注目が集まっている。"オルカン"こと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は世界中の株式に投資できる人気ファンドだが、組入比率は先進国が中心だ。今後の成長が期待される新興国にも投資したい人は、NISAで新興国株ファンドを組み合わせるのも一つの方法だろう。
オルカンと新興国株ファンドの併用メリット
投資でオルカンに何かを足すなら、手薄な地域をプラスするのも一つの考え方だ。オルカンは全世界株式ファンドだが、実際には米国を始めとした先進国が80%以上を占めており、新興国の割合は少なめとなっている。これから新興国の成長にも期待する場合、新興国の株式に投資するファンドを購入することで、オルカンよりさらに地域の分散効果を高めることができる。ただし、ポートフォリオの「コア」はオルカンに任せ、少額を「サテライト」として追加するのがおすすめだ。
NISAで買える新興国株ファンド5選
新興国株に投資するファンドのうち、オルカンを上回る成績を収めたファンドを5本紹介する。リターンは1年で上回っているファンドが多い傾向だが、中には3年や5年でも上回っているファンドもある。リターンは2026年6月26日時点、純資産は2026年6月30日時点のデータに基づく。
1. eMAXIS Slim 全世界株式 次世代通信関連 アジア株式戦略ファンド
アジアにおける次世代通信関連企業の株式に投資を行うファンドだ。銘柄選択は、株式のリサーチに強みのあるニューバーガー・バーマン・グループが行う。2026年4月から純資産が増加傾向に転じており、足元では400億円を突破している。
2. eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
低コストで人気のeMAXIS Slimシリーズによる、新興国株式のインデックスファンドだ。「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」という指数に連動する投資成果を目指す。純資産はなだらかな上昇傾向で、足元では4,000億円を突破した。2026年の目論見書によると、組入れ上位銘柄はTSMC9.2%、テンセント4.9%、アリババ・グループ3.0%、サムスン2.2%などとなっている。
3. アジア未来成長株式ファンド
設定から30年と長い歴史を誇るアジアの株式ファンドだ。主にアジア未来成長株式マザーファンド受益証券への投資を通じて、アジア諸国・地域(日本を除く)の製造業に関連した銘柄に投資を行う。銘柄選択にあたっては、ボトムアップアプローチを基本とし、割安で成長性のある銘柄を選定する。
4. インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式
MSCIエマージング・マーケット・インデックスと連動する投資成果を目指すファンドだ。基準価額はなだらかな上昇傾向だったが、2025年5月以降は特に急上昇となっている。純資産も増加傾向で、足元では1,000億円を突破した。
5. アジア・オセアニア配当利回り株オープン
「アジア配当物語」の愛称が付けられたファンドで、安定した好配当が見込めるアジア・オセアニアの株式に投資を行う。「MSCIオール・カントリー・パシフィック・インデックス(除く日本)」に採用されている国・地域の株式の中から、この指数より予想配当利回りが高いと判断される銘柄が投資対象だ。2026年3月付けの交付目論見書によると、組入れ上位銘柄はTSMC8.5%、サムスン8.1%、SKハイニックス5.1%、テンセント5.1%などとなっている。
これらのファンドは、オルカンをコア資産としながら、成長期待の高い新興国に投資する手段として活用できる。NISA口座で購入すれば、非課税メリットも享受可能だ。投資の際は、各ファンドのリスクやコストを十分に理解した上で、自身の投資目標に合った選択をすることが重要である。



