日本株への投資を検討しているものの、株価上昇により買いにくさを感じている投資家も多いだろう。そんな時に着目したいのが、企業の利益や純資産と比較して株価が割安な「割安株」だ。本記事では、PER・PBR・ROEの見方を解説し、「PER10倍以下」「PBR1倍程度」「ROE10%以上」を目安に選んだ注目の日本株5銘柄を紹介する。
割安度を測る3つの指標
銘柄選びでよく使われる指標として、株価の割安度を示すPER・PBRと、企業の資本効率を示すROEがある。
PER(株価収益率)は、企業の利益に対して株価が割安かどうかを示す指標で、「株価÷1株当たりの利益」で計算する。例えば、株価が1万円で1株当たりの利益が1,000円なら、PERは10倍となる。PERが低いほど株価は利益に対して割安とみられるが、適正水準は業種や成長性によって異なる。
PBR(株価純資産倍率)は、企業の純資産に対して株価が割安かを示し、「株価÷1株あたりの純資産」で計算する。例えば、株価が1万9,000円で1株当たりの純資産が2万円なら、PBRは0.95倍だ。一般にPBRが同業他社や過去の水準と比べて低い場合、割安と判断されることがある。ただし、PBRの1倍割れは株価が帳簿上の1株当たり純資産を下回ることを意味し、投資家から将来の成長期待が低いと見なされている状態ともいえる。
東証はプライム・スタンダード市場の全上場会社に対し、資本コストや株価を意識した経営を要請している。PBRが継続的に1倍を下回る企業には、その要因を分析し、改善に向けた取り組みを開示することなどが期待されている。
ROE(自己資本利益率)は、株主の資金をどれだけ効率よく使って利益を出しているかを示す指標で、「当期純利益÷自己資本×100」で計算する。一般的にROEが10%以上だと、効率よく稼いでいると判断される。
注目の割安銘柄5選
割安と判断される日本株のうち、これから投資にチャレンジしたい方に向いている銘柄を5つ紹介する。事業内容が理解しやすく、各指標が以下の基準を満たす銘柄を選定した。
- PER:10倍以下
- PBR:1倍程度
- ROE:10%以上
※投資に関する最終判断は、必ず読者ご自身の責任において行ってください。
雪印メグミルク(2270)は、牛乳・チーズ・ヨーグルトなど乳製品の大手メーカー。生活必需品のため景気の波を受けにくい安定業績で、ディフェンシブ銘柄の1つ。予想配当利回りは約2.6〜2.8%前後。身近な消費財でビジネスモデルが理解しやすく、業績予想が立てやすいため、初心者でも扱いやすい。
蝶理(8014)は、東レの連結子会社で繊維・化学品の専門商社。PBR改善や株主還元への意欲が高く、商社株の中でも比較的業績が堅調。予想配当利回りは約4.3~4.4%程度と、日本株の中では比較的高水準。割安度だけでなく、配当に期待して保有するのも良いかもしれない。
椿本チエイン(6371)は、産業用チェーンや自動車用タイミングチェーンで世界シェア1位を誇る大手機械メーカー。事業自体の強みが大きく、2027年3月期(2026年年度)の連結業績予想も売上高・営業利益ともに前期比18%増と好調。予想配当利回りは3.09~3.11%程度。毎年3月31日現在で株式を500株以上保有している株主には株主優待ポイントを贈呈し、食品、電化製品、体験ギフトなどに交換できる。
カヤバ(7242)は、自動車部品・鉄道車両部品・航空機部品などを手掛けるメーカー。自動車用のショックアブソーバー(緩衝器)や建設機械用油圧シリンダーなどで世界的なシェアを持つ。東証による「資本コストや株価を意識した経営」の要請を背景に、自社株買いや増配、不採算事業の整理など、資本効率の改善に取り組んでいる。
燦ホールディングス(9628)は、葬儀社トップクラスの「公益社」などを傘下に持つ、国内最大規模の葬儀専業の持株会社。高齢化社会における葬儀の需要拡大と、M&A・事業拡大により業績を伸ばしている。日本の構造的な高齢化という長期的な需要増トレンドに乗っており、単なる安定株にとどまらず、同業他社のM&Aや施設展開を積極的に進め、売上・利益の拡大を図っている。
※PER、PBR、予想配当利回りは執筆時のもの。ROEは直近実績。



