老後資金として3000万円を準備するには、毎月いくら積み立てればいいのか。必要な金額は、投資を始める年齢や現在の貯蓄額、運用利回りによって大きく変わる。45~53歳から65歳までに3000万円を目指す場合の積立額を、期待リターン3%・5%・7%の3パターンで試算した。『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(ななし/Gakken)から抜粋して紹介する。
シミュレーションの前提
就職氷河期世代といっても年齢や収入、貯蓄額の幅は広く、環境も大きく異なる。そこで「何歳時点」で「貯蓄がいくら」あれば「月にいくら積立投資をすればよいか」という早見表を作成した。投資の期待リターンは3%(保守的)、5%(普通)、7%(積極的)の3パターンで計算している。
シミュレーションの概要は以下の通り。
- 目標金額(将来価値):3000万円
- 運用期間:45歳~53歳でスタートし、65歳まで(最大20年間)
- 投資方法:毎月の積立投資
- 初期貯蓄(現在価値):0円~1000万円の5パターン
- 期待リターン(年利):3%、5%、7%の3パターン
この計算には将来価値を求める複合的な数式を用いた。目標金額(3000万円)が「初期貯蓄の将来価値」と「毎月積立額の将来価値」の合計になるように捉え、毎年目標金額との差額分を計算し、そこから逆算して必要な毎月積立額を求めている。積立は毎月月初に行うものとして計算している。
自分で積立のシミュレーションをしたい場合は、野村證券の「みらい電卓」というサイトが使い勝手がよく、おすすめだという。「毎月いくら積み立てたらいくらになるか」だけでなく「目標金額をつくるためには毎月いくら積み立てるべきか」も簡単に調べられる。積立だけでなく、一括での運用のシミュレーションもできる。
期待リターン7%の場合
投資の世界で7%は高い利回りのため、「米国株式(S&P500)」など、それなりにリスクの高い商品を中心に投資するケースだという。株式投資は長期運用すればするほど元本割れのリスクが小さくなる特徴があるため、「めちゃくちゃギャンブルをしないといけない」わけではないとしている。
48歳の時点で貯蓄が1000万円ある方は、積立投資をしなくても、その1000万円を投資に回せば65歳で3000万円に到達する。例えば45歳で1000万円を7%で20年回せば、65歳時にはトータル3869万円。4倍近くになる。貯蓄の全額を投資に回すことは現実的ではないが、「タンス貯金VS投資」の差は想像より大きいとしている。
一方、貯蓄がそこまでない場合、スタート時の年齢と初期貯蓄によって積立額に大きな差が出る。年齢で見ると、45歳なら月5万9109円のところ、53歳スタートなら月13万5462円と約2.3倍になる。初期貯蓄で見ると、45歳で貯蓄ゼロなら月5万9109円必要なところ、300万円の貯蓄があれば月3万6236円にできる。複利で回す積立投資は若いときから始めるのが王道だが、「貯蓄(最初の元金)」でも「時間」を買えるとしている。なお、初期貯蓄ゼロには、実際に貯蓄はあってもいざというときの保険として残しておきたい人も含む。
期待リターン5%の場合
投資の世界で5%は攻めすぎでも守りすぎでもないバランスのよいタイプ。オールカントリー系の投資信託商品はだいたい5~7%くらい期待できるが、個人的には「ざっくり5%くらいのリターン」があればいいとのこと。現実的なケースとも言え、期待リターンをあまり高く想定しすぎないことで、今後相場が悪化する時期がやってきても乗り切れそうだとしている。
貯蓄ゼロの場合、45歳スタートで月7万3927円、53歳スタートでは月15万3575円と、平均年収ではしんどい金額になっている。今まで貯金をしっかりしてきた人でも、半分くらいは運用に回したほうがよいかもしれない。ただし、これは1人で積立金を準備する場合の話で、結婚していれば話はだいぶ変わる。二馬力であれば何とかなりそうな金額かもしれない。
期待リターン3%の場合
リスクの低い商品を選んだ場合で、最近は個人向け国債(変動10年)で1.74~1.80%くらいの利回りのものもあるため、それと「オールカントリー(5%)」を半々にすれば3%くらいに落ち着きそうだとしている。堅実で保守的な投資になるため、7%や5%と比べて積立額が急増する。ここまでくると、もはや「入金力」勝負となる。
ただ、ここでもやはり「貯蓄額」と「若さ」は大きな武器で、45歳で1000万円の貯金がある方なら月3万6527円と現実的な金額が見えてくる。3%で3000万円を目指すなら、「早期スタート」「大規模な貯蓄」、あるいは「それなりの高収入」が必須となりそうだ。



