「好きなことを仕事に」の落とし穴
フリーランスとして30年以上にわたり仕事が途切れることなく活動を続けるブックライターの上阪徹氏は、多くの人が憧れる「好きなことを仕事にする」という考え方に警鐘を鳴らす。上阪氏は、自身の経験から「どんな仕事もとりあえずやってみる」というマインドこそが、長くフリーランスとして生き残る鍵だと語る。
仕事を選ばない姿勢が生んだ好循環
上阪氏は、引き受けると決めた仕事は、たとえ興味がなくても楽しんでしまうことにしているという。「決して、マイナスの気持ちで仕事をしない。楽しいか楽しくないかを決めるのは自分だからです。どうせやるなら、楽しんでしまう。そのほうが楽しいからです」と述べる。この姿勢が、結果的に多くの仕事の派生を生み、キャリアの幅を広げてきた。
偶然の出会いを大切にする
「長くフリーランスをしていて感じていることは、起きていることには必ず何かの意味があるということです。仕事との出会いもそうですし、人との出会いもそう。場所との出会いもそうです」と上阪氏。偶然の出会いに対し、「それを大事にする。ちゃんと向き合う。ポジティブに受け止める。丁寧に接する。一生懸命に取り組む」と強調する。その意味がすぐに分からなくても、10年後に突然つながることがあるという。
一方で、「ああ、興味ないからいいや」「オレには関係ないや」と考えてしまうと、その後何も起こらないと指摘する。
人生は試されることの連続
上阪氏は、人は日々試されていると考えるようになったという。「起きていることをどう捉えるか。さまざまなことにどう向き合うか。大事にしようとするか、むげにするか」。ネガティブな出来事にも意味があると捉え、「もしかしたら今、自分は試されているのかもしれない。そのために、この出来事が起きたのかもしれない」と前向きに受け止める。
かつて取材した企業トップから「人生は試されることの連続だ」という言葉を聞いた上阪氏は、組織ではポジションが上がるほど権限と誘惑が増えるが、それに負けずにパスすれば次のステージが待っていると説明。フリーランスも同様で、日々の試練に真摯に向き合い、自分を維持できるかが問われると語る。
トラブルを避ける上阪メソッド
上阪氏は、受注後にトラブルにならないための5つのポイントを挙げている。
- 直感を活かす:人間の直感は案外鋭い。嫌な予感は当たる。
- 顔つきを見る:人間性は顔に出る。第一印象を重視。
- 条件に注意する:うますぎる話は世の中にはない。
- 倫理観が合うか:どこまで許容できるか。
- 相性はどうか:合わない人とは、残念ながら合わない。
これらのポイントを押さえることで、長期的に信頼されるフリーランスとしての基盤を築けるとしている。



