中国の二重経済とゾンビ企業問題:EV躍進の裏で長期低迷のリスク
中国の二重経済とゾンビ企業問題のリスク

中国経済は、まるで1980年代の日本のように「二重経済」に苦しんでいる。これは、世界を驚かせる超高生産性の輸出志向セクターと、経済全体の足を引っ張る大規模な国内志向・低生産性セクターが混在する構造だ。日本や欧米の政策立案者は、主に中国経済の目覚ましい部分に目を奪われがちだが、それはそれらが自国に影響を与えるからに過ぎない。

スーパースターセクターの実態

中国の巨大なスーパースター産業には、電気自動車(EV)、ドローン、太陽エネルギー、バッテリーなどがある。これらの製品に対する世界的な需要は指数関数的に成長しており、中国はその需要を満たすうえで他を圧倒している。しかし、太陽エネルギー製品やその部品を製造しているのは、中国の労働者のわずか1.5%にすぎない。EVだけでなくすべての自動車と自動車部品の製造に携わっているのはわずか0.7%で、バッテリー製造に至っては0.2%に過ぎない。

スーパースター・セクターは中国の「二重経済」のほんの一部であり、その輝かしい成果は経済全体の実態を覆い隠している。リチャード・カッツ特約記者(東洋経済)は、この乖離が中国経済の長期的な脆弱性を生んでいると指摘する。

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生産性格差の拡大

セクター間における生産性(労働者1人当たりのGDP)の格差は大きい。製造業は最も効率が高いが、サブセクター間でも大きな違いがある。2024年には、工場は中国の全労働者の18%を雇用していたが、GDPの25%を生み出した。対照的に、中国人の22%が農業に従事していたが、彼らが生み出したのはGDPのわずか7%だった。工場の生産性を100とすると、農業は22、卸売・小売業は47、建設業は72にとどまる。それにもかかわらず、これらの遅れているセクターが全雇用のほぼ半分(45%)を占めている。

特定のセクターにおける一部の中国企業が、全固体電池などの顕著な技術的成果を上げている一方で、これらの進歩は同じセクター内の一般的な企業には普及していない。世界銀行の報告書「成長の堅固な企業基盤(Firm Foundations of Growth)」は、中国の業績が非常に好調だった1998年~2007年の期間においてさえ、この「最優秀層とそれ以外」の乖離がすでに問題になっていたことを示した。

ゾンビ企業の淘汰を拒む政策

生産性が最も高い上位10%の製造企業は、工場労働力の33%を雇用していたが、企業内における生産性成長の60%を占めていた。対照的に、下位70%の企業は工場労働者のほぼ40%を雇用していたが、企業内の生産性成長のわずか15%しか占めていなかった。経済がより停滞するにつれ、この最優秀層とそれ以外の乖離が過去15年間で悪化したことは疑いない。そして、製造業以外ではおそらくさらに悪い状態だろう。残念ながら、最近の期間におけるこの問題に関する信頼できるデータは入手できない。

中国政府はゾンビ企業の淘汰を拒み、非効率な企業を存続させる政策を続けている。これにより、資源の誤配分が固定化され、経済全体の生産性向上が阻害されている。カッツ記者は、このような「まやかしの二重経済」が中国に長期低迷の罠をもたらす可能性があると警告する。輸出セクターの躍進に目を奪われることなく、国内の構造問題に正面から取り組まなければ、中国経済は日本が経験したような「失われた30年」を繰り返す恐れがある。

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