定年後の仕事やお金のことで不安を感じる人は少なくない。シニア世代でも働き続ける人が増える中、キャリアコンサルタントの西村栄子さんとファイナンシャル・プランナーの國富真さんが監修した書籍『定年後の働き方で知りたいことが全部のってる本』から、65歳以降の準備に役立つ情報を紹介する。
年金だけでは生活できない?
まず、年金受給額の平均を月額で見てみよう(令和5年度)。厚生年金(基礎年金含む)の場合、男性は約16万7000円、女性は約10万7000円。国民年金のみの人は男女とも5万6000~6万円程度だ。
さらに厳しい現実として、年金額は今後実質的に目減りすると考えられる。背景にあるのは、2004年の制度改正で導入された「マクロ経済スライド」という仕組みだ。これは現役世代の減少や寿命の延びに合わせて、年金の伸びを物価や賃金の上昇より低く抑える調整弁のようなもの。過去には物価が下がっても年金額を据え置いたツケを後から減額して調整した歴史もあり、受給額は今後も減少傾向にあるとみられる。
物価上昇が追い打ち
追い打ちをかけるのが近年の物価上昇だ。2023年以降の消費者物価指数(生鮮食品を含む「総合指数」)は前年比3%前後で上昇し、2025年は食料品に限れば前年比6.7%アップ。年金額も改定で増える場合があるが、物価高とマクロ経済スライドの影響で、お金の価値や購買力は目減りし続けている。
定年後は月いくら稼げば生活できるのか、考えていく必要がある。次ページでは年代別の年金受給額をグラフで見ていく。



