定期預金に脚光、各行がキャンペーン 金利上昇で資産形成の手段に
定期預金に脚光、各行がキャンペーン 金利上昇で

銀行の定期預金の金利が上昇傾向にあり、「金利のある世界」を受けて、各行はボーナス時期に合わせた金利引き上げやポイント付与のキャンペーンを相次いで実施している。定期預金は安全に資産を増やす手段として再び注目されている。

みずほ銀行はポイント付与キャンペーン

7月上旬、東京都港区のみずほ銀行の店舗では、ボーナス支給後の会社員の女性(37)に対し、行員が9月17日までのキャンペーンを説明していた。女性は「ボーナスを使う予定がないし、預けるだけでお得になるのでいいと思う」と述べ、その場で申し込んだ。

このキャンペーンでは、6か月物の定期預金に新たに50万~300万円を預けると、飲食店や楽天ポイントなどに交換できる「みずほポイント」を年率1.625%分付与する。8月適用の金利年率0.475%と合わせた実質金利は年率最大2.1%(税引き後約2%)で、6か月後に約5000円~約3万円が受け取れる。

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定期預金の基本と安全性

定期預金は6か月や1年などの短期から5年、10年ものまであり、満期前の引き出しができない代わりに普通預金より金利が高い。多くは預入時の金利が固定され、積み立て式もある。銀行が破綻しても1000万円までの元本と利息が保証され、安全性が高い。

日銀の低金利・マイナス金利政策下では、2023年頃まで定期預金の金利は0.004~0.005%程度で、「すずめの涙のような金利で正直、定期預金の魅力は乏しかった」(大手銀行関係者)という。

日銀利上げで金利上昇、預金残高も増加

日銀が2024年から段階的に利上げを行うと、預金金利も上昇。各行は新年度やボーナス時期にキャンペーンを実施し、金利や実質金利が1%台のサービスも増えた。日銀の調査では、6月時点の国内銀行の家計の定期預金残高は約161兆円で、前年同月比4.5%増。普通預金の0.9%増を大きく上回る。

ネット銀行や地方銀行ではメガバンクより有利な金利もある。SBI新生銀行は3か月・6か月・1年物すべてに新規預入で年率1.25%、auじぶん銀行は1年物で1.3%を適用。

リスクと注意点

一方、定期預金は確実性が高い分、大きなリターンは望めない。年率1%台でも日銀の物価目標2%を下回る。固定金利のため、金利上昇局面では満期まで低い金利に固定される。物価上昇が続けば実質利回りがマイナスになる恐れもあり、利息には約20%の税金がかかる。

第一ライフ資産運用経済研究所の奥田宏二・主席研究員は「定期預金は原則、途中で引き出せないだけに預け入れのタイミングに気を配りたい。特に金利上昇局面では全額を一度に預けず、時期をずらすなどの工夫も必要だ」と話す。

分散運用のすすめ

ファイナンシャルプランナーの鈴木麻里さんは、投資信託や株式、国債、預金などにバランスよく分散することが重要と指摘。当面使う予定のないお金は長期運用でインデックス型投信などに、突発的な支出に備えるお金は普通預金に、数年以内に必要な教育費や車の購入費は定期預金や個人向け国債が一案だと話す。

定期預金を選ぶ際は、各行のキャンペーン内容を確認し、期間や金利水準、ポイントをよく見ることが大切。金利は税引き前表示が多いため、税引き後利回りを把握する必要がある。口座を増やしすぎると管理が煩雑になるので、まずは身近な金融機関から検討するのがいい。各行のホームページでは預入金額や期間、利率を入力すると満期時の利息が試算できるサービスもある。生成AIでの試算は誤ることがあるため、そうした公式サービスを利用したい。

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