国債「国民一人当たり1100万円の借金」は誤り?高橋洋一氏が財務省・マスコミの煽りを検証
国債「国民一人当たり1100万円の借金」は誤り?高橋洋一氏検証

「国民一人当たり1100万円の借金」というフレーズは、日本の財政危機を象徴する言葉としてマスコミや学者によって頻繁に使われる。しかし、元大蔵官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、この数字の捉え方自体が誤りだと指摘する。高橋氏は『財務省とマスコミに騙されない経済数字の読み方』の中で、政府のバランスシートや日銀を含めた統合政府の会計に基づき、日本の財政状況を再検証している。

「国民一人当たり1100万円の借金」は本当か?

確かに国債の発行累計額は1342兆1720億円に達し、2026年度の新規国債発行額は29兆5840億円の予定である。対GDP比も2025年で230%と高水準であり、国民一人当たりに換算すれば1100万円になる計算だ。しかし、高橋氏は「国債は政府の借金であり、国民の借金ではない。国民一人当たりで計算するのは間違っている」と断言する。

財務省のバランスシートで見る実質負債

財務省が公開する国の貸借対照表(BS)によれば、2024年度末の負債は1483兆円、資産は783兆円で、差し引き700兆円の負債超過となる。これは国債残高の半分以下であり、資産が負債の一部を相殺している。しかし、それでも700兆円の負債はGDPを上回る規模だ。

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国際基準の統合政府会計で評価すると

国際通貨基金(IMF)は各国の財政状況を、政府と中央銀行を統合した「統合政府」ベースで分析する。日本の場合、日銀のBS(2024年度末)では資産763兆円、負債713兆円、純資産50兆円。ただし、負債に含まれる発行銀行券(119兆円)と当座預金(530兆円)は、事実上無利子か極めて低利であり、経済上は負債とみなされない。これらを除き、純資産50兆円を加えると699兆円。政府の負債超過700兆円と合わせると、統合政府の負債超過はわずか1兆円に過ぎない。

その他の健全性を示すデータ

高橋氏はさらに、日本の家計金融資産が2000兆円を超えていることや、経常収支が黒字であることなど、他の指標でも日本の財政が危機的状況ではないと論じている。マスコミや財務省が強調する「借金1100万円」という数字は、政府の資産や日銀のバランスシートを無視したミスリーディングなものであり、正確な理解には統合政府ベースの分析が不可欠だと結論づけている。

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