新NISAや企業型DCだけじゃない…コツコツ積み立て「いつの間にか富裕層」になる地味な投資法
新NISAや企業型DCだけじゃない…地味な投資で富裕層に

円安と株高の波に乗り、日本では「いつの間にか富裕層」となる会社員が増加している。野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングのチーフ・ストラテジスト宮嵜浩氏とストラテジスト髙宮康平氏は、富裕層への道は必ずしも起業や大規模なキャピタルゲインだけではないと指摘する。実際、同社の分析によれば、超富裕層(金融資産5億円以上20億円未満)の資産形成理由として「投資・株式・資産運用」が29%を占め、「起業や出資した会社の上昇や売却などのエグジット」の5.5%を大きく上回っている。

「マスク1兆ドル」の裏で増え続ける普通の富裕層

2026年6月12日、イーロン・マスク氏が設立した宇宙開発企業スペースXが史上最大規模のIPO(総額750億ドル)を実施。フォーブスによると、マスク氏の純資産は一時1兆ドルを超え、世界初の「トリリオネア」が誕生した。一方、日本の長者番付でも上位は孫正義氏や柳井正氏といった創業者一族が占める。しかし、資産1億円以上の「富裕層」に限れば、給与所得者でも到達可能な領域になりつつある。

会社員を富裕層に押し上げる地味な制度

インテージの「富裕層調査II2025〈金融〉」によると、富裕層(金融資産1億円以上5億円未満)の資産形成理由で最も多いのは「給与・役員報酬・賞与などの労働収入」であり、投資やエグジットを上回る。つまり、会社員は給与を原資にコツコツと資産を積み上げているのだ。特に有効なのは、企業型確定拠出年金(DC)や新NISAといった税制優遇制度を活用した長期積立投資である。

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株高と円安で「いつの間にか富裕層」が急増

近年の日本株高と円安は、資産効果を加速させた。例えば、毎月6万円を年利5%で20年間積み立てると、元本1440万円に対して運用益が約1億円に達し、総資産は1億円超となる。これは新NISAの年間投資枠(成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)をフル活用すれば十分可能なペースだ。

超富裕層が選ぶ“株式以外”の運用戦略

超富裕層は株式だけでなく、未公開株への投資も積極的だ。スペースXのIPOで明らかになったように、未公開株は上場後に大きなリターンを生む可能性がある。また、自社株購入制度を利用する会社員も、自社の成長に連動して資産を増やすチャンスを得ている。宮嵜氏は「長期運用は会社員の特権。時間を味方につけることが富裕層への近道」と語る。

毎月6万円×20年で資産1億円が手に届く現実

具体的な試算として、年利5%で毎月6万円を20年間積み立てた場合の最終資産は約1億円。新NISAのつみたて投資枠(月10万円まで)を活用すれば、さらに短期間での達成も可能だ。髙宮氏は「コツコツ型の積立投資は、大きなリスクを取らずとも富裕層への確実なルート」と強調する。

株式を上回る「未公開株」のリターン

未公開株投資はハイリスクだが、成功時のリターンは株式を上回る。スペースXのIPOでは、マスク氏の保有株が1兆ドル超の価値に。日本でもスタートアップへの投資が拡大しており、適切な分散と長期保有が鍵となる。

“自社株購入”が富裕層への切符に

多くの上場企業が従業員向け自社株購入制度を提供している。割安な価格で取得でき、配当や株主優待も得られるため、給与所得者にとって有力な資産形成手段だ。特に自社の成長性が高い場合、長期的な資産増加が期待できる。

富裕層になるために必ずしも起業は必要ない。新NISAや企業型DC、自社株購入といった「地味な制度」を活用し、時間をかけて積み立てることが、確実な資産形成への道であると両氏は結論づけている。

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