今年のミッレミリアで、イタリアの名門ブランドであるオスカ(OSCA)とイターラ(ITALA)が復活を遂げた。しかし、その背後にはバッジエンジニアリングという現実が横たわっている。
復活の舞台:今年のミッレミリア
ミッレミリアはイタリアの歴史的なクラシックカーレースであり、今年そのイベントでオスカとイターラの新型車が披露された。両ブランドは、DRオートモービルズ(DR Automobiles)によって商標が買収され、再び市場に投入された。
バッジエンジニアリングの実態
しかし、新生オスカとイターラの実態は、中国の長安汽車(Changan)などのプラットフォームをベースにしたSUVやクロスオーバーである。イターラの「35」やオスカの「MT6」は、中国で車両の9割以上が完成した状態で船積みされ、イタリアでは最終的な手直しのみが行われている。
AGCMの制裁とメローニ政権の姿勢
イタリアの競争市場監督局(AGCM)は、DR社が「Made in Italy」を過度に強調し、消費者に誤認を与えたとして高額な制裁金を科した。AGCMは、ブランドロゴからイタリア国旗のデザインを削除し、ウェブサイトや広告からもイタリア製であることを強調する表現を削除するよう求めた。メローニ政権は国内製造業の保護を厳格化しており、海外生産に移行する自動車グループを牽制する一方で、中身が中国車であるDR社のイタリア製主張を容認しなかった。
新生ブランドの戦略
DR社のディ・リシオ氏は、AGCMの調査が燻る中、EVO、Sportequipe、ICH-X、Tiger、Birbaという複数のブランドを立ち上げるとともに、歴史的ブランドによるバッジエンジニアリング戦略を加速させた。しかし、このビジネスモデルは短期的な利益をもたらすものの、ブランド独自の技術的遺産や中古車としてのリセールバリューを構築しにくいという弱点を抱えている。



