日本の食卓に欠かせないサバの塩焼きが、近い将来「ぜいたく品」になるかもしれない。時事通信社水産部の川本大吾部長によると、国内で消費されるサバの大半を占めるノルウェー産の供給が危機に直面している。資源状況の悪化に伴い漁獲枠が激減し、日本への輸出量は半減。価格は高騰を続けており、水産商社からは「来年にはスマートフォンより小さい一切れが店頭で500円近くなる」との見方も出ている。
ノルウェー産サバが日本の食文化に浸透
「秋サバは嫁に食わすな」ということわざがあるが、今では秋に限らず一年中、美味しいサバの塩焼きが楽しめる。その背景にあるのが、大西洋で漁獲されるノルウェー産サバの大量流通だ。スーパーや弁当、定食屋チェーンで提供されるサバの多くはノルウェー産が占め、福井県の名産品「へしこ」などの原材料も国産から切り替わりつつある。
漁獲枠縮小で輸出量半減、価格は4年で3.6倍に
しかし、ここ1~2年で状況が一変した。ノルウェー産サバの資源状態が悪化し、漁獲枠が大幅に縮小。日本への輸出量は以前の半分に落ち込み、原料価格はこの4年間で3.6倍に跳ね上がった。川本部長は「それでもノルウェー産を使う」と語る水産加工業者も多いと指摘する。国産サバは年間28万トン以上水揚げされているが、流通量が限られ、品質の安定性や価格面でノルウェー産に依存せざるを得ない現状がある。
代替魚としてニシンに期待
サバの高騰を受け、代替魚としてニシンが注目されている。ノルウェー産ニシンは漁獲が安定しており、価格もサバに比べて低い。しかし、サバ独特の風味や食感を求める消費者には受け入れられにくい面もあり、完全な代替には至っていない。
今後の見通しと消費者への影響
水産商社は「2027年にはスマホより小さい一切れが500円近くなり、ぜいたく品になる」と懸念する。サバの塩焼きは日本の家庭料理の定番だが、価格上昇は家計に打撃を与えかねない。国産サバの流通拡大や養殖技術の進展が期待されるが、当面はノルウェー産の動向が日本の食卓を左右しそうだ。



