日本ペイントホールディングス(HD)は13日、オランダの塗料大手アクゾノーベルに対し、建築用塗料事業の買収を提案していると正式に発表した。買収総額は75億ユーロ(約1兆4000億円)に上る。同社はアジアや欧州でのプレゼンスを高めるため、今回の大型買収に乗り出した。
過去の経緯と今回の提案
日本ペイントHDは今年4月に2度にわたり、米国の大手塗料メーカーであるシャーウィン・ウィリアムズと共同でアクゾノーベルの買収を提案していた。しかし、アクゾノーベルはいずれの提案も拒否。そのため日本ペイントHDは6月、買収に向けた検討を終了したと発表していた。今回の提案は、アクゾノーベル全体ではなく、建築用塗料事業のみを対象としている点が異なる。
アクゾノーベルは昨年、米国の同業アクサルタ・コーティング・システムズと合併することを発表している。今回の事業買収提案を受けて、アクゾノーベルは13日、アクサルタとの合併を引き続き進める考えを示した。
戦略的意図と市場への影響
日本ペイントHDは、アジア市場での強固な基盤を持ち、欧州での存在感を強化したい考えだ。アクゾノーベルの建築用塗料事業は欧州で高いシェアを誇り、買収が実現すれば日本ペイントHDのグローバルな競争力は大幅に向上する。一方、アクゾノーベルはアクサルタとの合併により、自動車用塗料など産業用コーティング事業を強化する方針で、建築用塗料事業の売却はその戦略の一環とみられる。
業界関係者によると、今回の買収提案が成立すれば、世界の塗料市場における勢力図が大きく変わる可能性がある。日本ペイントHDは買収資金について、手元資金と借り入れで賄う見通し。今後のアクゾノーベルの対応が注目される。



