食品メーカー各社が、熊本の特産や名産品を使った商品を相次いで販売している。消費者に食べてもらうことで熊本地震からの復興を後押しする狙いがある。被災した企業が支援への「恩返し」として販売に乗り出す動きも出てきた。
「あか牛」ポテチで1袋1円を寄付
菓子メーカーの湖池屋(東京)は9日、熊本特産の「あか牛」を原材料の一部に使ったポテトチップスを、21日から全国のコンビニで発売すると発表した。地域の食材を活用する「湖池屋プライドポテト100%」シリーズの商品で、「熊本地震復興応援」と銘打ち、1袋の販売につき1円を熊本県に寄付する。
湖池屋は、7月28日の地震で最大震度6強を観測した同県益城町に「九州阿蘇工場」を構えている。1日35万袋の商品をつくる主力工場だが、地震で設備がずれるなどしたため一時停止し、約3週間後に通常生産へ復帰した。
9日に熊本県庁で木村敬知事に新商品を披露した湖池屋の柴田大祐・常務執行役員は「熊本名産の味を全国に届けたい」と話した。
九州食材の弁当、1食40円を義援金に
弁当チェーン「ほっかほっか亭」を全国展開するほっかほっか亭総本部(大阪市)は今月1日、熊本名物の高菜や福岡名物の明太子など九州にちなんだ食材を使った特別メニュー「熊本応援!九州うまかもん弁当」(税込み790円)を発売した。1食あたり40円を義援金として寄付する。
同社は今回の地震で、熊本県内7店の一部でガスや水の供給が止まるなどした。担当者は「店舗だけでなく会社全体で復興に貢献していく」と強調する。
被災企業から「今度は支える側に」
一方、被災地から支援を呼びかけるのは、海藻類の加工販売などを手がけるカネリョウ海藻(熊本県宇土市)だ。同社は2011年の東日本大震災で宮城県の工場が被災し、16年の熊本地震では本社工場が被害を受けた。今回で3度目の被災となったが、過去の教訓を生かして対応を進め、地震発生から5日後に通常運転へ復帰できたという。
同社は「多くの方に助けられた恩に感謝するとともに、今度は支える側に回りたい」として、スーパーなどで販売している「産地直送 有明 海苔(のり)」などの商品について、今月から1袋あたり3円の義援金を拠出するプロジェクトを始めた。担当者は「少しでも復興を後押しする力になれば」と話す。
有明海産の海苔で豆を巻いた菓子「風雅巻き」を販売する風雅(熊本市)も、18~20日と25~27日に熊本、福岡、宮崎県内の直営店で「復興支援パック」を売り出し、販売額に応じて義援金を寄付する。8月にオンラインなどで販売すると人気で売り切れたため、追加販売することにした。
熊本県によると、今回の地震による商工業関連の被害額は、今月3日時点で中小企業を中心に計1559億円に上っている。官民による多様な支援が進む中、身近な食品を通じて被災地を支える動きは今後も続きそうだ。



