厚生労働省が時間外労働(残業)について、労働基準監督署の指導の見直しを発表した。労働時間を増やしたい経済界の強い要望が背景にある。一方、企業の残業削減に向けた意欲が薄まり、「働き方改革」に逆行する懸念もある。
「残業は45時間まで」の一律抑制とりやめ
厚労省によると、月45時間以内の時間外労働が認められる労使の「36(サブロク)協定」は、企業の約5割が結んでいる。協定を結んでいる企業のうち7割が、月100時間未満(休日労働を含む)まで可能な「特別条項」をつけている。
しかし、特別条項があっても労基署は45時間以内とするよう一律の指導をしており、経済界から「企業活動を萎縮させている」(伊藤仁・日本商工会議所専務理事)などの指摘が出ていた。こうした声を受け、自民党の日本成長戦略本部が4月に見直しを提言。7月に閣議決定された政府の日本成長戦略にも同様の内容が盛り込まれた。
指導変更の影響と今後の課題
労基署の一律の指導が変わることで、企業の残業時間管理に変化が生じる可能性がある。一方で、専門家からは長時間労働を助長する懸念も指摘されている。今後の運用状況が注目される。



