軍事同盟を結ぶサウジアラビア、トルコ、パキスタンの3か国は5日、イエメンの反政府勢力フーシによるサウジへの越境攻撃に対応するため、軍の部隊をサウジに展開する方針を決めた。対サウジ軍事支援の強化で、サウジとフーシの戦闘が激化するのは必至だ。
3か国がリヤドで会合、共同声明を発表
3か国の外相や国防相、軍参謀総長らが同日、サウジの首都リヤドで会合を開き、「集団防衛の義務を直ちに実行に移す」とする共同声明を発表した。具体的な内容は明らかにしていないが、トルコとパキスタンがサウジに部隊を派遣するとみられる。3か国は8月、いずれかの国への攻撃を3か国すべてへの攻撃とみなす防衛協定を締結していた。
イエメン暫定政権が大規模攻撃を開始
隣国イエメンの内戦に介入するサウジはイエメン暫定政権を支援し、周辺国で構成する有志連合軍を率いてフーシと交戦してきた。だが、7月以降、フーシが紅海やバブルマンデブ海峡付近を航行するサウジの関係船や同国の石油関連施設などへの攻撃を強め、サウジは対応に苦慮していた。
3か国連携の動きに合わせるように、イエメン暫定政権は5日、同国南西部でフーシに対する大規模攻撃を始めたと発表した。連合軍の支援を受け、バブルマンデブ海峡に近いドゥバブに進軍し、南北に延びるフーシ支配地域を寸断したという。フーシが軍事的に掌握していたバブルマンデブ海峡も「制圧した」と主張しているが、詳細は不明だ。
今後の見通しとイランの関与
サウジに対する同盟国の軍事支援の加速を受け、暫定政権は今後、フーシへの攻勢を一層強めるとみられる。ただ、フーシはイランと連携しており、7月以降の攻勢にもイランの軍事支援があったとされる。情勢はイランの出方にも左右されそうだ。