化粧品などの美容産業を「J-Beauty(Jビューティー)」とブランディングし、海外市場で存在感を高める国策が急浮上している。内閣府大臣政務官の金子容三氏は東洋経済の取材に対し、この動きが「異例のスピード感」で進んだ背景や、意外なきっかけについて詳細を語った。
10兆円市場の可能性と現状の課題
日本の美容関連産業は、研究開発力や技術力で世界トップクラスとされる。しかし、海外市場でのプレゼンスは低く、政府による支援も限定的だった。金子氏は「コンテンツ産業に匹敵する市場規模があり、雇用では凌駕する可能性がある」と指摘。市場規模は約10兆円と試算される。
研究会発足から提言提出まで1年足らず
自民党議員有志で構成する「J-Beauty産業研究会」は2025年6月に設立され、林芳正官房長官(当時)を会長に迎えた。わずか1年弱で政府への提言書をまとめ、2026年5月に提出。金子氏は「縦割り行政の壁を乗り越え、スピード感を持って進められた」と述べた。
発端は2025年春、研究会立ち上げの約2カ月前。金子氏は「ある美容業界関係者から『日本は技術があるのに国が支援しない』との声を聞き、政治の場で動く必要性を痛感した」と明かす。
今後の展望と具体的な施策
提言には、海外プロモーション支援、規制緩和、人材育成などが盛り込まれている。金子氏は「Jビューティーを日本の成長産業の柱に育てるため、政府一体となって取り組む」と強調。具体的には、日本貿易振興機構(JETRO)などを通じた海外展開支援や、美容関連の国際規格策定への参画を視野に入れている。



