個人向け国債大改革で銀行預金流出?神田潤一氏と齋藤通雄氏に聞く購入促進策の行方
個人向け国債大改革で銀行預金流出?神田潤一氏と齋藤通雄氏に聞く

日本銀行が国債保有額を減らす中、政府・与党は「家計部門」を新たな国債消化の担い手に据え、個人向け国債の商品性見直しや税制優遇など購入促進策の議論を本格化させている。今回の改革によって、家計の金融資金はどこまで個人向け国債に向かうのか。自民党の神田潤一衆院議員と、ミスターJGBこと齋藤通雄氏に、改革の行方や銀行預金への影響を聞いた。

過度な預金滞留構造からの脱却

神田氏は「個人の資産形成」と「安定的な国債保有者の多様化」の2つの観点から議論を進めていると説明する。資産運用立国は、銀行預金に積み上がっている資産を投資に振り向け、その分配を通じて家計の資産形成につなげる好循環を目指す取り組みだ。これまで株式や投資信託が議論の中心だったが、国債も安全資産として着実な資産形成に貢献できるという。

家計における債券の保有比率は1%台にとどまっており、神田氏は「金利上昇局面を迎えた今、国債も安定的な資産形成の選択肢として考えていくべきだ」と述べる。一方、日銀が国債保有残高を段階的に減らす中、安定的な保有主体を増やす必要性が高まっている。家計部門には大きな潜在余地があるという。

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商品性見直しと新商品追加の両面

神田氏は「既存商品の見直しと新商品の追加の両面から検討している」と語る。具体的な議論内容については、まず商品性を見直し、そのうえで税制優遇を検討する方針だ。これまでは超低金利だったため家計の金融資産は銀行預金に過剰に滞留していたが、金利上昇により国債にシフトする可能性が十分にあると指摘する。

齋藤通雄氏は「今後3~5年で家計から100兆円規模の資金シフトが必要」と説く。個人向け国債が銀行の預金基盤を揺さぶり始めており、預金争奪戦の敵は個人向け国債だという見方を示す。

アメリカに学ぶ長期保有とインフレ防衛

アメリカでは個人の国債保有が一般的で、長期保有とインフレ防衛の観点から個人向け国債が活用されている。日本でも同様の仕組みを取り入れることで、家計の資産形成を促進しつつ、国債の安定消化を図る狙いがある。齋藤氏は「家計部門の国債保有比率を引き上げることが、日本の財政安定化につながる」と強調する。

今回の改革の行方は、銀行預金の流動性や金融機関のビジネスモデルにも影響を与える可能性が高い。今後の議論の進展が注目される。

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