インドでは現在、「コーラ戦争」が激化している。地元のカンパ・コーラに対し、コカ・コーラとペプシコが攻勢をかけ、小売店の棚の奪い合いが発生。その結果、予想外の勝者が生まれた。それが「ビジクーラー」と呼ばれるガラス扉付き業務用ショーケースを手がけるメーカーだ。
インド子会社ウエスタンがコーラ戦争の勝者に
ビジクーラーのインド最大手は、ムンバイに拠点を置くウエスタン・リフリジレーション(以下、ウエスタン)。日本の厨房機器最大手ホシザキの子会社である。ウエスタンはコカ・コーラ向けの専用工場を持ち、大手飲料メーカーからの信頼も厚い。
ホシザキは1981年にアメリカ、92年に欧州に現地法人を設立するなど、早期から海外市場を開拓してきた。しかし2005年時点の海外売上比率はわずか11.4%だった。その後、M&A戦略を強化。小林靖浩社長は「オーガニックな海外展開には時間がかかりすぎる。国内は少子高齢化で伸びない。だから海外M&Aで出ていこうという発想だった」と語る。投資銀行に広く声をかけ、来るものを拒まずに検討して買収を進めた。
M&Aで海外比率5割超へ
2006年にはソフトドリンクのディスペンサー(給水機器)を手がける米ランサーを買収。その後も世界各国で買収を重ね、2025年12月期の売上高4860億円に占める海外比率は53.3%に達した。
ウエスタンの株式50.1%を取得したのは2013年。その後段階的に株式を取得し、出資比率を82.4%まで高めた。海外事業担当の取締役専務執行役員を務めた西口史郎氏は「ウエスタンは成功事例」と胸を張る。ウエスタンの2026年1〜3月の売上高は前年同期比19%増、営業利益率は22%と、ホシザキのアジア事業の成長を牽引している。
国内トップの横綱、世界へ
ホシザキは業務用製氷機で国内シェア約6割、業務用冷蔵庫で約5割を占める厨房機器の横綱。ブランドマークのペンギンは多くの人が目にしたことがあるだろう。同社は「日本の横綱」から「世界のヨコヅナ」へと変身を遂げつつある。



