倒産寸前の酒蔵に残された400樽の原酒が生んだ奇跡のウイスキー
倒産寸前の酒蔵に残された400樽の原酒が生んだ奇跡

埼玉県秩父市のベンチャーウイスキーが製造する「イチローズモルト」は、倒産寸前の酒蔵に残された400樽のウイスキー原酒から生まれた。同社の設立は2004年9月で、わずか2年足らずで国産ウイスキーのトップ評価を受けた。

「キング・オブ・ダイヤモンズ」が世界を魅了

英国発の専門誌『Whisky Magazine』の特集「プレミアム・ジャパニーズウイスキー」で、サントリーをはじめ大手の銘酒を押しのけて最高評価のゴールドアワードを獲得したのが「イチローズモルト」の「キング・オブ・ダイヤモンズ」だ。2005年に124本だけ瓶詰めされた初回版と、2006年に555本が瓶詰めされた後発版があり、後発版でも国内で数十万円台、海外オークションでは100万円台の落札例がある。初回版は海外オークションで1000万円を超える価格を記録している。

倒産から生まれた世界的ブランド

ベンチャーウイスキーの創業者である肥土伊知郎社長は、埼玉県秩父市で江戸時代から続く日本酒の蔵元の家に生まれた。祖父の代の1941年に埼玉県羽生に本社工場を移し、戦後の1946年にはウイスキー製造免許を取得。1959年に社名を東亜酒造とし、日本酒以外の酒も手がけるようになった。しかし、肥土社長の父親が社長のときに経営不振となり、2000年には民事再生法の適用を受けることになる。肥土社長は当時東亜酒造で働いていたが、民事再生法申請の2年ほど前まで経営不振に気づいていなかったという。

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廃棄寸前の原酒が世界一に

倒産寸前の酒蔵に残された400樽の原酒は廃棄寸前だったが、そこから生まれた「イチローズモルト」は2017年には国際的なウイスキーコンペティション「World Whiskies Awards」で世界一の称号“World’s Best”を獲得するブランドへと成長した。

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