世界の一流と呼ばれる人々は、退社後に「仕事時間」から「自分時間」へと切り替えるため、ある「儀式」を設けている。2025年から26年にかけて、欧米やアジアのグローバル企業のエグゼクティブを対象に実施された調査では、全体の81%が「職場でも自宅でもない、定期的に通う場所がある」と回答した。
一流たちが通う「サードプレイス」とは
彼らは「サードプレイス」と呼ばれる場所に足繁く通い、日々のルーティンに取り入れている。こうした場所が必要とされるのは、そこが「思考のモードを切り替えるための重要な拠点」として機能するからだ。
マイクロソフトに勤務していた筆者の周囲でも、優秀な同僚たちの多くは特定のコーヒーショップの常連だった。彼らは週に3回ほど、退社してから帰宅するまでの間に決まったカフェへ立ち寄り、30分から1時間程度の時間を過ごすことを習慣にしていた。
何もしない時間がもたらす効果
彼らはそこで仕事の続きをすることも、何かの勉強に励むこともない。ただその場所に身を置き、コーヒーを飲んでいるだけである。それだけで、仕事に従事していた脳が別の状態へと切り替わるのだ、と彼らは口にしていた。
周囲からの評価や果たすべき義務から物理的・精神的に距離を置く時間は、自分自身を回復させるために不可欠な役割を果たしている。
日本人に根付く「罪悪感」の壁
日本においてサードプレイスで自分だけの時間を持つ習慣が定着しにくい背景には、日本人が抱く特有の「罪悪感」が存在する。多くの日本人は、仕事と無関係な活動に時間を費やすことに対して、自分自身を責めてしまう傾向がある。
2024年に国内のビジネスパーソンを対象に実施された調査では、平日の夜に仕事や家族と関係のない自分だけの場所や時間を確保できていると回答した人は、わずか23%にとどまった。



